• "権原"(/)
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  1. 青森県議会 1991-06-26
    平成3年第186回定例会(第5号)  本文 開催日: 1991-06-26


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(鳴海広道君) ただいまより会議を開きます。暑い折から上着を脱いでもよろしいことにいたします。  議案第一号から議案第二十六号まで、並びに報告第一号及び報告第二号、並びに公社等経営状況説明書を一括議題といたします。        ─────────────────────────────────            ◎ 議案等に対する質疑        ───────────────────────────────── 2 ◯議長(鳴海広道君) ただいま議題となりました議案等に対して質疑を行います。質疑は議題外にわたらぬよう簡明に願います。五十番和田耕十郎君の発言を許可いたします。──和田耕十郎君。 3 ◯五十番(和田耕十郎君) 議案第一号「青森県核燃料物質等取扱税条例案」に対まして、二、三御質問申し上げたいと思います。その第一は第一条「課税の根拠」でございますけれども、地方税法の第四条を適用いたしまして青森県におきましてこの核燃料物質等取扱税を新設するわけでございますが、地方税法の中で定めているこの道府県の法定外普通税の制度というものはどんな形で設けられてきたのであるか、またそのねらいとするものはどんなところにあるのか、この辺をまずお伺いしたいわけでございます。そしてまた、この法定外普通税の目的というものをどこに求めてるのか、そんな基本的なことをまずお伺いしたいと思います。あわせまして、道県で行います法定外普通税課税対象として本県で予想する核燃料物質というもの、あるいは低レベル放射性廃棄物というものが法の精神になじむんだろうか、その辺をひとつかみ砕いて御説明いただきたいわけでございます。  それから、第二条に用語の定義が明確に記載されているわけでございます。この第三項でございますけれども、廃棄物埋設──規制法第五十一条の二第一項第一号の「廃棄物埋設」という言葉でありますが、「原子炉の規制に関する法律」によりますと、この「廃棄物埋設」と、その上にしっかりと「放射性廃棄物」、こういうのが熟語としてあるわけでございます。切り離していないわけでございます。この「廃棄物埋設」という言葉は「原子炉の規制に関する法律」を受けてあるわけでございますから、条例を成文化する場合にはしっかりと「放射性廃棄物埋設」という表現に改めた方がいいのではないか、こんな気がするわけでございます。それからもう一つは、第四条等に核燃料物質等取扱税ということで「核燃料」という言葉を用いているわけでございます。先般安全協定を示された際にもすべて「核燃料」という表現になっております。また、皆さんも既に御承知と思いますけれども、原子力基本法でも「核燃料物質」という表現をしてる。原子力開発利用基本計画でも「核燃料物質」、あるいは原子力白書でも「核燃料サイクル関連施設の立地」、こういうぐあいにいろんな法律、法令では「核燃料」という表現をしているわけでありますけれども、本県においては「原子燃料サイクル施設」という表現を今もって使用してる。この言葉がどうしてできたかということは私も承知しています。昭和五十九年に電事連会長が三つの施設を総称して「原子燃料サイクル施設」という発言をしたことから、昭和六十年の立地要請を受けた際からこの「原子燃料」という言葉で来ているわけでございます。しかし、「原子燃料」という言葉はどこの法律、法令にもなかなか出てこない。今新しく出ているいろんな文章にも「核燃料」という言葉が出ている。「核燃料物質」という言葉が出てきている。ですから、今回課税するのも核燃料施設に課税されていくのであって原子燃料施設に課税されていくんではないんですね。ですから、今日電事連会長の発言から十年を経ておりますから、私は、用語の定義、用語の使用ということについてはもはや「核燃料」という言葉で統一していいときではないだろうかと。もちろんこれは県が勝手につけたんでなしに電事連の要請の文書に「原子燃料サイクル」という言葉を使ってるんですが、今後は「核燃料サイクル」「核燃料物質」等「核燃料」という言葉に統一したらいかがか、そんなことを考えているわけでございます。  それから三つ目でございますけれども、ウラン濃縮施設及び低レベル放射性廃棄物貯蔵施設事業計画というのは具体的にどうなってるんだろうか──操業時点ではわかるわけでございますが、具体的にどうなってるのか、そして、今回の核燃料物質等取扱税税収見積もりとの関係はどうなのか、この辺をお尋ねしたわけでございます。具体的に申し上げますと、課税の根拠としている言うなれば低レベル廃棄体の容量でございますけれども、平成四年に三百立方、平成五年に四千三百立方、平成六年に九千三百立方、平成七年に二万一千七百立方、八年に三万五千七百立方、こういうぐあいに課税対象の容量を見ているわけでありますけれども、基本計画からいきますと、その数字よりも高かったり低かったりばらばらであるわけでございます。ちなみに申し上げますと、平成四年の事業計画は一千六百立方、平成六年もそうですけれども一万一千六百、七年では一万六千六百ですが、計画よりもかなり上回った形で課税対象量を見てる。この辺に少し心配する点があるわけでございますので、事業計画と整合性を持ちながら課税していく、こんな考え方を持たねばならないと思います。さらにまた、製品ウランの重量につきましてもそうでございますけれども、年度別の事業計画の生産量と課税対象の年度別の積算根拠とを相照らしますと少々ばらつきが見られるわけでございます。その辺についてひとつ、整合性が保たれているのか、過大見積もりになったり過小見積もりにならないようなことでいかねばならない、こんなふうに考えるわけですがどうなのか。  それから、核燃料物質等取扱税条例案の附則第二項で同条例は五カ年間で失効するものとしておりますけれども、なぜこの条例に時限立法的な五カ年というものを定めてるのか、これが私としてはちょっとわからないわけでございます。その根拠をお示しいただきたい。特に、普通の条例の改正、あるいは変更による改正というのは一部改正案で通るわけでございますが、五年の時限立法という形では変更する場合どうするんだ。条例の変更──高レベル廃棄物の問題、あるいはまた再処理工場に伴ういろいろな問題がこれから出てくるわけでございますが、そういう新たに課税しようとする場合に内容に一部変更が生ずる、その場合に国との関係はどうなのか。地財法ではあらかじめ国・自治大臣の許可を得なきゃならないが、私はそれを条例の中に一項設けておく必要があるんではないかと。条例を変更する場合は主務大臣の許可を得て速やかに行うということを明確にしておかなければこの失効と五カ年の時限立法との絡みについて少し不都合が出てくるんではないかという気がするわけでございますが、その点についてお尋ねしたいと思います。  それから議案第八号の「青森県病院事業条例の一部を改正する条例案」についてでありますが、一つは、診療料等徴収条例が一部改正されることによる減収見込みはどうなるのか、これは若干の減収でございますけれども、それはどうなっていくのか。  それからもう一つは、出産、分娩に関連いたしまして、中央病院で出産を希望する人がなかなか容易に県立病院で出産できない。これは初診を受けた方に限り出産、分娩をしてる。ですから、自分たちの子供たちが他県に嫁いでいる、出産するときはふるさと青森でと思って来ましても市民病院や県立中央病院では受け付けていない。やはり公立病院としては出産、分娩の便宜開放というものを図っていくべきではないかと思うわけですが、御所見を伺いたい。  さらに三つ目は県立中央病院における赤ちゃん取り違え事故の問題でありますが、非常に残念な事故が発生したわけでございます。その事故の経緯が四月上旬以降今日までどうなってるのか、そしてまた、そのよって来る原因というものをしっかりと究明しながら、今後こういう間違いを起こさない改善策というものを県としてはどのように考えているのか、これを明確にしてほしいと思うわけでございます。  議案第十号「青森県立高等学校授業料、受講料、入学料及び入学者選抜手数料徴収条例の一部を改正する条例案」についてでありますが、まず一つは、授業料等徴収条例の一部改正によって及ぼす影響というのはどの程度なのか、これも非常に少ないところでありますでしょうけれども、この辺を明らかにしてほしいと思います。  それからもう一つ、当初予算の中に計画されてもう既に実施されているわけでありますが、大学進学率向上対策事業は、特定の学校に援助するという形になってしまい、それぞれの学校間格差の拡大というもの、あるいは学力偏重につながっていかないんだろうか。言うなれば比較的優秀な子供たちを持つ学校へ年間二百万の金を出して叱咤激励して進学促進を図っていくわけでありますが、金でもっての進学率向上という対策が果たして妥当なのか、この辺を私は心配するわけでございます。そのことによって学校間の格差というもの、まあできる学校できない学校というものがますます拡大していくし、また、それぞれの学校の生徒たちの言うなれば学力に偏重を来すという要因になっていかないか、この辺を心配するわけであります。それよりもむしろ総合的に今後の大学進学率向上対策というものを積極的に進めていくべきである、私はこんな考え方をするわけでありますけれども、この辺に対する考え方をお示しいただきたいと思います。  学力向上あるいは大学進学率を高めていくということを急ぐ余りに高等学校あるいは中学校の体育・スポーツ活動というものがないがしろにされないだろうか、むしろその辺に教育委員会の財政的なものを配分していくという考え方に立った方が賢明でないだろうか。今こそ高等学校・中学生の体力づくりというものが非常に求められているわけでございます。特に、各学校において、各競技種目において選手生活をしている皆さんについては非常に個人負担が多い。選手負担が増加している。この軽減というものを図っていくべきと思うけれども、どうなってるのかお尋ねしたいと思うわけでございます。  そしてまた最後の質問でございますけれども、教育を受ける機会の均衡ということの精神からいって教育委員会は極力まんべんなくそれぞれの学校に援助していかなければならないと私は思うわけでありますけれども、今六十九高等学校の中で後援会組織があります。その後機会組織でかなりの金を集めてる。歴史と伝統のある学校は容易に多額の金額を集めることができるけれども、新設高校ではなかなか金が集まらない。その高校の後援会の金というものはどこに使われてるのか、これはあくまでも、学校の施設整備、あるいは図書、備品といった教育環境の整備に使われてる。豊かな財政力のある後援会では子供たちの環境整備にかなり金を使うことができるけれども、金のない弱小後援会はなかなか学校に応援できない。そこから教育を受ける機会均等が失われていくんではないだろうか。同じ高校生でいながら、豊かな教育環境の中で生活できる者と貧しい環境の中で生活する者の差というものが出るんじゃないだろうか。その辺について教育長から基本的な考え方をお示しいただきたい。特に、後援会の現状はどうなってるのか、かなりの──昭和五十二、三年のときには数億以上になっているわけでございます。その辺をひとつお述べいただきたいと思います。以上です。 4 ◯議長(鳴海広道君) 谷川副知事。 5 ◯副知事(谷川憲三君) 私から県立中央病院におきます赤ちゃん取り違え事故につきましてお答えいたします。先般県立中央病院におきまして新生児を取り違えるという事故が発生いたし、御家族の方々には大変な御心配、御迷惑をおかけいたしました。また県民の皆様にも多大なる不安を与える結果となりまして、このことに対し心から深くおわび申し上げる次第であります。事故の経緯につきましての詳細は後ほど環境保健部長からお答えさしていただきますけれども、現在三人の赤ちゃんはそれぞれの御家庭におきまして健やかに成長しておられるというふうに伺っております。いずれにしましても本件に関しては、決してあってはならないことが起きたものでありまして、県としてもこの事実を重く受けとめております。事故の原因についても詳しくは後ほど部長からお答えいたしますけれども、基本を忘れた看護体制、なれというものにあったというふうに見ております。このため現在病院において、診療等の安全確保、事故防止の見地に立って、問題のあった未熟児室に限らず、あらゆる部門で業務の内容、手順、チェック体制等の総点検を改めて実施いたしております。病院業務の監視、指導をする立場にあります県といたしましても、今後この点検結果を踏まえ、病院側と協議しながら事故防止のため万全の対策を講じてまいる所存でございます。 6 ◯議長(鳴海広道君) 総務部長。
    7 ◯総務部長(伊藤 廉君) 今回提案いたしております青森県核燃料物質等取扱税条例案に関連した御質問についてお答えします。まず、地方税法において制度といたしまして法定外普通税が設けられてる目的なりねらい、さらには、今回の核燃料物質等取扱税、これは御案内のとおり本県のが初めてのものでございますが、それがこうした目的と整合性がとれてるのかといった点についてまずお答えいたしたいと思います。議員がもう質問の中で引用されておりましたが、地方税法はその第四条におきまして、道府県が課すことのできる普通税として、県民税、事業税等の税目を法定するほか、別に税目を興して普通税、これは使途の特定されないものでございますが、普通税を課すことができるものとしております。これを受けまして、同じ地方税法の第二百五十九条以下におきまして、法定外普通税の新設等の要件、手続等について定められております。その概要を簡単に申し上げますと、その新設──さらには更新の時期でも同じでございますが──等におきましては自治大臣の許可が必要であること、許可の積極的要件としては、その税収入を確保できる税源があり、その税収入を必要とする財政需要があること、さらには消極的要件としては、他の税と課税標準を同じくし、かつ、負担者──税を負担する者が著しく過重となってはならないこと等が規定されております。この法定外普通税の制度は、地方公共団体の財政需要は法定税目に係る税収入、地方交付税等によりいわゆる地方一般財源として賄われるのが通常でございますが、特別の事情がある場合には、地方公共団体の自主性の観点から、その必要性に応じみずからの意思によって税目を興すことが認められるべきであるというふうな地方自治の理念なり原則から設けられてるものというふうに理解しています。さらに、既存の国税あるいは地方税との重複課税を避けるために先ほど申しましたような消極的要件があるものというふうに理解しております。今回提案しております核燃料物質等取扱税条例案は、原子燃料サイクル施設の本県六ヶ所村への立地に伴い、県として、安全性の確保のための諸施策はもとより本県産業の振興に向けての諸施策を実施する必要があると考え、地方税法の仕組みの中で認められてる制度を活用しその財源確保に最大限の努力をする、そして県勢の振興に役立てていこうというような趣旨から提案しているものでございます。既に本議会でも御答弁申し上げましたとおり、当条例案については自治省から内諾を得てることからしても、法定外普通税制度のねらいと今回提案している核燃料物質等取扱税の目的は整合性がとれているものというふうに考えております。  それから第二点目におきましては用語の使い方でございます。今回提案しております条例におきましては低レベル放射性廃棄物貯蔵施設課税対象の定義について「廃棄物埋設」と規定して「放射性」という言葉を外してるけれどその趣旨はどうか、また、法律との整合性がとれないのでむしろ入れるべきではないかというような御質問だと思います。御指摘のとおり当条例においては、低レベル放射性廃棄物理設施設の課税客体をあらわす用語として「廃棄物埋設」という言葉を用いています。こういうふうな言葉を用いておりますのは、核燃料物質等の規制について定められております「核原料物質核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」におきまして、一定の核燃料物質によって汚染された物質等の埋設の方法による最終処分を「廃棄物埋設」というものとして規定されているところでございまして、低レベル放射性廃棄物埋設施設は、同法に定めますこの廃棄物埋設を行う施設であることから、課税対象を表現する言葉としてはこの法律上の用語と同一であることがむしろ適切ではなかろうかと考えたことによるものであります。またこの考え方は、許可官庁である自治省からもその方がむしろ妥当であるというような見解を得ているところでございます。  それから、今回の核燃料物質等取扱税税収見込みのベースになる事業計画等についてのお尋ねでございます。御案内のとおり、当初定められた事業計画と操業状況が今後どうなるのか私はこの場では的確に申し上げられませんが、参考までに私どもは許可期間である五年間の税収見積もりを算定したわけでございますが、その根拠といたしましては、現在許可がおりておりますウラン濃縮施設事業計画では、最終規模時で年六百トンSWUですか、これはセパレーティブ・ワーク・ユニット──分離作業量単位ということで、この作業をやりますと二百七トンの製品六弗化ウランができるわけでございますが、六百トンSWUの濃縮を行いまして、低レベル放射性廃棄物埋設事業計画では、やはり最終規模時で四万立方メートル、二百リットルドラム缶換算では二十万本、そういうふうな埋設を行うこととされており、いずれも事業開始後徐々にその規模を増していく内容となってございます。今回提案しております核燃料物質等取扱税の税収については、その施行期間が五年間となることを踏まえ、二施設の事業計画によって当該五年間に発生することが予定されております課税標準量に基づいて試算したものでございます。なお、議員御指摘のように今後操業の状況によって税収がまた異なってまいります。したがいまして、今後の操業状況に応じて適切に税収見積もりを行いまして、財政運営に支障の生じないよう適切に対処してまいりたいというふうに考えております。  それから第四点目は、同条例では五年間で失効するものとしてるが、これについてもう少し条例の規定のしっぷりを考えたらどうかというような御質問でございます。御指摘のとおり、条例上におきましては、核燃料物質等取扱税は五年で失効するものとしており、五年間について核燃料物質等取扱税を実施することとしております。このように実施期間を五年間としておりますのは、原子力発電所立地道県において実施されております法定外普通税である核燃料税において、五年間として自治大臣から許可され、五年ごとに更新する取り扱いになっていることによるものでございます。なお、本県の条例の規定ぶりと他の道府県におけるその期間の規定ぶりは全く同様でございます。なぜまず五年間で許可されるかということでございますが、法定外普通税の実施につきましては、その納税義務者となる者に対して一般の税負担を上回る税負担を求めるだけに、実施の必要性、負担の適正さの確保等について適時適切な見直しを行う必要があると考えられており、こうした点が考慮されて一応五年ごとに更新という取り扱いがなされているものと理解しております。こうしたことから今回の核燃料物質等取扱税についても実施期間を五年間としてスタートしまして、五年経過の時点でさらに更新を行うこととしているところでございます。なお、御案内のとおり、他の道県の核燃料税につきましても既に何回かの更新がされており、すべて認められているところでありまして、さらに本県の核燃料物質等取扱税につきましても、その特色から一応十年間ということで財政需要を見積もりまして税率を設定しているところでございまして、五年後の更新時におきましても理解は得られるものというふうに考えております。 8 ◯議長(鳴海広道君) 環境保健部長。 9 ◯環境保健部長(増田和茂君) 和田議員の四つの質疑にお答えを申し上げます。まず第一点目の、診療料等徴収条例が一部改正されることにより減収見込みはどうなるかという御質問でございますが、「消費税法の一部を改正する法律」が平成三年十月一日に施行されまして、助産、これは要するに出産でございますが、助産に係る診療料等が非課税となるために青森県病院事業条例のうち関連する事項に関しまして額を改める必要が生じ、御審議をお願いしているところでございます。今回の改正に伴います今年度の減収見込み額につきましては、診療料、これは入院料だとか投薬料、入院室料というものでございますが、これにつきましては年間で九百十九件が対象になると見込んでございまして、金額といたしましては百五十八万六千円、入院室料、これは、実は個室を希望される方の場合は入院室料をいただいてるわけでございますが、この年間の入院室利用延べ人数は七十二人と見込んでおりまして、これで五千円、また分娩料につきましては、年間の分娩件数を九百十九件と見込んでおりまして百十九万八千円の減、合計いたしまして二百七十八万九千円の減収を見込んでいるところでございます。  二点目の、県立中央病院で出産を希望する方の受け入れについてでございますが、議員御案内のように、近年妊産婦の方もほかの病気と同じように患者さんは国公立の大病院に集中するという傾向が続いてございます。本来国公立の大病院というのは高度医療技術を必要とする患者さんのためにあるべきという意見もございますが、現在県病におきましては、ベッドの関係から取り扱い可能な妊婦数を割り出しまして予約制によって受け入れてございます。原則的には、入院の予約につきましては、妊娠三カ月ぐらいまでの妊婦さんにつきましては、まず、妊婦が初診時に来院しているというようなこと、また、やはり県病で出産しないとちょっと大変だというようなことで妊婦さんが他病院からの紹介状を持参して来られた方、こういう方の予約の申し込みを受けてございます。もちろん予約のない妊婦さんでも、空床がある場合ですとか、重い異常といいますか、そういう異常のある妊婦さんとか、出産時に開業医の先生では出産がなかなか大変だということになったときには救急車で運ばれてくる妊婦さんもいらっしゃるわけでございますが、こういう方は随時受け入れてございます。県病といたしましては、先ほど申しましたように、本来の機能として一般の開業医さん等では取り扱いが難しい高度医療を担うという病院の性格があるわけでございます。このことからやはりハイリスクの可能性が高い妊婦さんを優先しなければならないという理由があるわけでございますが、県病で出産を希望される方につきましては、今までも受け入れてきたわけでございますが、可能な限り受け入れてまいりたいと考えてございます。  三点目の、県立中央病院におきます赤ちゃんの取り違え事故の経緯でございますが、その事実経緯といたしましては、去る四月六日でございますが、母親Aが退院されるときに「子供の顔が最初に見たときの自分の子供の顔とどうも違うようだ」ということを担当の看護婦さんにお話をしたわけですが、その看護婦さんからは、それがだれかは特定できないんですが、新生児の顔は日々変わるものだと言われたということで帰られた──退院されたということでございます。そして二日後の四月八日になりまして、今度は母親Bの方も、どうも自分の子でないような釈然としない様子で退院されたということでございます。そしてその翌日、四月九日の早朝でございますが受け持ちの看護婦が、お母さんCのお子さん、このお子さんはまだ入院していたわけですが、どうもお母さんCの子供じゃないんじゃないかというようなことに気づきまして、四月六日、四月八日に退院されたA、Bのお母さんの話もありましたので早速医師に報告し、医師の指示のもとに、三人のお子さんと御両親の血液型、それから顔の形だとか、そのほか生物学的特徴の確認を行いました結果、四月六日に母親Aの子として退院した子は母親Bの子である、また四月八日に母親Bの子として退院した子は母親Cの子であること、そして母親Cの子として入院中の子供はお母さんAの子供であることが判明したものでございます。幸い血液型が全部違ったものですから、本当に不幸中の幸いといいますか、血液型だけでわかったということでございます。その後、お母さんAとお母さんB、そしてその御家族の方には事情を御説明し、病院側から謝罪の上、四月九日にそれぞれの御家族のところにお子さんをお渡ししたところでございます。また、お母さんCの子につきましては、当時まだお母さんが入院中であったということから、本人に与える精神的影響を考慮して取り違えに係る経緯は当時は説明していなかったわけでございますが、事の重大性にかんがみ、去る五月二十五日に御両親に経緯を御説明申し上げ、心からおわび申し上げたところでございます。  続きまして事故の原因と今後の改善策でございますが、中央病院におきましては、新生児を識別するため出生時に直ちにネームバンドを足に取りつけているわけでございます。しかし、未熟児等至急にインキュベーターに入れる必要のある子につきましては、採血だとか、あとは、未熟児でございますので心肺のモニターをつけたり、それから輸液をしたりいろいろ注射の針が何本もつくわけでございますが、足にネームバンドをつけてるわけですが、それが邪魔になるということでそのときに取り外したということでございます。最初に取り外した以後退院まで未熟児室においてはネームバンドを取り外したままであったということでございます。そして、このような状態が、御存じのように昭和五十六年九月に県立病院が現在の場所に移転したわけですが、それから以降そういうことがどうも続いていたという話でございます。前にあったところではちゃんとダブルチェックをしていたということでございます。先ほど副知事の方からございましたように、なれといいますか、マンネリ化といいますか、そういうなれの恐ろしさを今回痛感したわけでございます。そして、いつどのようにして取り違えがあったかにつきましては、いろいろ事実関係を調査したわけですが、新生児──未熟児につきましてもやはり、日々体重を測定したり、あとは幅乳──ミルクを与えたり、少しよくなってくれば沐浴、これはおふろに入れることでございますが、ベッドといいますか、保育器から出すこともあるわけでございまして、その際に取り違えたということはわかるわけですが、じゃ具体的にだれがそれをやっていたのかということを特定することは現段階では非常に困難な状況にございます。事故後の対策といたしましては、先ほど副知事の方からも答弁がございましたが、病院におきましてはNICUに関しまして、事故発生後直ちに、新生児からはもう絶対にネームバンドは取り外さないこと、さらには、ネームバンドもついてございますが、子供の──未熟児の足、まあ一番一般的なのは足の裏なわけですが、足の裏に書けない場合はほかの部分に名前をマジック等で書くということで、ダブルチェック──二重のチェックを行うということで新生児の確認を行ってございます。また、今回の事故を通じまして、他の部門でもこういうことがあるんじゃないかということで、現在病院の方では全部門において改めて総点検を実施しているところでございます。以上でございます。 10 ◯議長(鳴海広道君) むつ小川原開発室長。 11 ◯むつ小川原開発室長(内山克己君) 青森県核燃料物質等取扱税条例案に関連いたしまして、もう原子燃料という言葉は核燃料という言い方に統一するよう努めたらどうか、そういう考え方についてお尋ねがあったわけでございます。和田議員からお話ございましたように、原子燃料サイクルという名称を使った契機はお話のとおりでございます。しかも、原子力基本法等の関係法令、あるいは原子力開発長期基本計画等でも、核燃料、あるいは核燃料サイクル、このように使っているわけでございます。県といたしましても、今回の条例案のように法令等の規定を援用する必要がある場合、これまでもそれらの名称を用いて、その事案事案でできるだけ正確を期しているところでございます。このようにそれぞれの局面においてできるだけ事柄に即した形で適切な名称を用いてきているわけでございますが、場合によりましてはお話ありましたように逆に混乱しがちな面もあろうかと考えられます。そういうことで御提言の趣旨につきましては、統一することの是非、あるいはまた関係者のいろんな理解、あるいはまた対応の仕方もありますから、そういう点を含めて統一の是非について検討してみたいと考えております。 12 ◯議長(鳴海広道君) 教育長。 13 ◯教育長(山崎五郎君) 和田議員の、議案第十号青森県立高等学校授業料、受講料、入学料及び入学者選抜手数料徴収条例の一部を改正する条例案」にかかわりまして四点の御質疑にお答えいたします。まず第一点は、授業料等徴収条例一部改正によって及ぼす影響はどうかというお尋ねでございます。このたび提案いたしました条例案は、「消費税法の一部を改正する法律」が本年十月一日から施行されることに伴いまして、授業料は初めから非課税でございますが、入学料が非課税となるために県立高等学校の入学料を引き下げるためのものでございます。したがいまして改正後の入学料は、今年度は、十月一日以降に本県の県立高等学校以外から転入学する者が対象となるわけでございまして、予算措置につきましては、従来、当該歳入はその対象者数が不確定であるということと、もう一つは、毎年ごく少数で十名程度であるということから毎年度年度末に補正計上することとしておるものでございますので、本年度も最終補正による対応を考えております。したがいましてこのことによりまして直接影響は出ないというふうに考えております。  第二点でございますが、大学進学率向上対策事業は、学校間格差の拡大とか、あるいは学力偏重につながるものではないか、それよりも総合的な大学進学率向上対策があるのじゃないかという御質疑でございます。まず基本的な考えでございますが、学校教育はもとより、知、徳、体の調和のとれた人間性豊かな幼児、児童生徒を育成することにあるわけでございまして、県の教育委員会といたしましては本年度もこの方針に基づきまして、授業の充実、道徳教育の充実、体育・健康教育の充実等々重点事項を定めて、潤いと活気に満ちた学校教育の推進に努めているところでございます。お尋ねの大学進学率向上対策事業は、いわゆる知育の促進、つまり本県の生徒の学力の向上を図る事業でございます。しかし、これとともに、議員御承知と思いますが心の教育、つまり徳育面の教育活動の推進を図るために、ボランティア活動とか勤労体験活動、あるいはさらには共同学習など特色ある教育活動を行う学校にもこれを援助することといたしまして、学校活性化推進事業もあわせて本年度から新たに実施しているところでございます。ところで、大学進学率向上を図るには県下高校全体の学力を向上させることが肝要であることは当然のことでございます。これまでも、能力、適性、進路等が非常に多様化しております高校の生徒一人一人の実態を把握して、その一人一人の学習活動を充実させて学力向上を図るためにいろいろな対策を講じておりますが、特色ある教育課程を編成し実施したり、中学校、高等学校の連携による教科指導研究協議会とか習熟度別の学習指導、教育機器等の積極的な活用などもろもろの対策を講じてきているところでございます。ところで、議員御指摘の、本年度から当面行います、県内六地区で地区の中核となる六校の高等学校を中心に実施される大学進学率向上対策事業は、もちろんその学校の進学指導活動を促進援助するというものでございますが、あわせて、その地域の高校生とか父母を対象とした進学意識啓発のための講演会などの事業、あるいはその地区の高校生の合同進学講習会の事業といったものを行いまして、そういうことを通じて、指定校だけでなく地域のほかの学校にも効果が波及するのでございまして、御心配の学校格差が拡大するのではないかということよりも、この事業が刺激となって、これまでの対策とあわせて、地域や、ひいては県全体の学力向上が期待されるものと考えてございます。また、そのほか大学進学率向上のためには総合的な方策があるのではないかということでございますが、そのとおりでございまして、このことにつきましては、高等学校教育振興会議にその意見を求め、昨年十一月に報告が出ております。例えば、経済負担を軽減させるために奨学金制度を拡充するとか、あるいは県内の大学の収容枠を拡大するとか、というのがございます。さらに、日常の学習指導、進路指導を充実させるべきだというふうなことがありますが、何としても、実際に大学に進学する志望者がいるのに進学ができないということは子供の学力不足が問題である、学力向上を第一番に考えるべきであるという御意見でありまして、学校が行っております進路指導を県は積極的に援助すべきである、そういう意見のもとにこの事業がことしから行われることになったものでございます。  第三点の御質疑は、いわば知育、徳育の次の体育にかかわる御質疑でございますが、学校の体育・スポーツ活動への助成を充実させまして選手負担の軽減を図っていくべきじゃないかということでございますが、学校における体育・スポーツ活動は生涯スポーツの基礎をつくる上で大変重要な教育活動でございます。青森県でもこの趣旨に沿って、施設の整備とか、教員、指導者の確保、それから資質向上等についてこれまでも努力してきたところでございます。学校の教科あるいは特別活動など教育課程内で行う体育教育活動につきましては当然これは県費で措置をしているわけでございますが、先ほどお話しの運動部活動につきましては、本来これは同好者が自主的に集まって課外に行うものでございますから、まあ通常の活動にかかる経費は本人が負担してもよい性質のものだと思います。しかし、東北大会とか全国大会等に青森県の代表として出場するという場合には、県ではこれは学校体育団体への助成という趣旨で、青森県高等学校体育連盟等を通して旅費などの経費の一部を助成し、選手の激励というふうな意味を含めて個人負担の軽減に努めているところでありまして、これは今後とも継続してまいりたいというふうに考えます。  最後に第四点目は、公立高等学校の後援会の現状はどうか、そして、その後援会の財政規模等によって高校生の教育の機会均等の精神が崩れるのではないか、あるいはまた教育費の父母負担軽減対策について一体どういうふうに考えているのかというお尋ねでございました。県立高等学校の後援会は、議員お話しのとおり、名称はいろいろありますが、県立全日制六十九校全校にそういう組織がございます。そしてその目的は、教育環境の整備、生徒、教職員への研究助成、生徒の育英奨学事業の推進等々、地元の高等学校の教育活動を側面から援助することを目的として設立されておるわけでございます。私ども県の教育委員会といたしましては、これは私的団体ではありますが、学校の教育活動等にかかわるというようなこともございまして、校長会などを通して、後援会設立の趣旨に即して適切な運営がなされるように指導しておるわけでございます。特に議員が御心配になっております、一後援会の規模の格差によって教育環境の格差が生じるのではないかというふうな問題にかかわって、施設設備の整備など本来県が行うべきものについては安易に後援会に依存することのないよう指導してきてございます。実際に毎年いろいろな計画があった場合に、私たちの方に状況を聞いて、御指導申し上げているところでございます。その現状でございますが、文部省が実施しております地方教育費調査というのがございますが、平成元年度の青森県の高等学校の後援会等の寄附金の総額は約八億一千万で、そのうち施設設備の整備や修繕のための経費、つまり本来県が負担すべき性質の経費とされる金額でございますが、これが八億一千万円のうちの約一億六千万円となっておるわけでございます。これを割り返しますと、平成元年度は──失礼いたしました。その割合は、昭和六十年度当時は三二・八%でございましたが、先ほどお話ししました平成元年度の実績では一九・八%とかなり減少してございます。県教育委員会といたしましては今後とも、父母負担の増大を招いたり、あるいは学校間の格差が生じないように計画的に各学校の実情に応じた施設設備の整備の促進を図るとともに、父母負担の軽減のため、後援会等団体会計の積極的な見直しについても校長会等を通じて広く関係者の理解を求めてまいりたい、というふうに考えてございます。以上でございます。 14 ◯議長(鳴海広道君) 和田耕十郎君。 15 ◯五十番(和田耕十郎君) 簡単に要望したいと思います。  用語の使い方でございますが、むつ小川原開発室長は今後考えるということでありますからそれに期待をいたしますが、なるべくなら広く県民が素直に理解できる形で用語の統一というものが求められていいのではないか。例えばこの青森県核燃料物質等取扱税という名称もしかりでございます。今、原子力発電所のある中で法定外普通税を課税しているところではこんな面倒くさい名前を使っていません。核燃料税でございます、いずれもですよ。そういうわかりやすい名目にして課税をしてる。新しくできる私どもの税は青森県核燃料物質等取扱税となかなかわかりにくい。その辺も含めて名称の使い方等に今後一工夫をしていただきたいと思うわけでございます。  そこで、先ほども総務部長から非常に詳細に御説明ありましたけれども、予算見積もりを立てる際に注意しなきゃならぬことは、あくまでも事業主体による事業実施計画と整合させて課税対象項目をしっかりさせて課税を果たす、こうしていかねばならないわけでございますけれども、例えば製品ウランの重量の見積もり方につきましても、事業計画では平成三年に百五十トン、これに課税対象として見ているのは八十七トン、平成七年になると、事業計画は六百トン、しかしこちらで課税しようと思っているのは八百五十トン、こういうふうに相違があるわけでございます。さらにまた低レベル放射性廃棄体の容量等につきましても、事業計画におきますと平成四年に千六百立方メートル、しかし課税しようとしているのは三百立米と平成五年は、計画の六千六百に対して課税は四千三百立方、あるいは平成六年については、一万一千六百という計画に対して課税は九千三百立方、あるいは平成七年におきましても、一万六千六百という事業計画に対しまして課税として対象に見ているのは二万一千七百立方、こういうぐあいに事業計画と課税しようとする見積もりとに非常に差があるわけでございます。そこに過大課税、あるいは過小課税ということにつながっていかないか。マスコミに対しましても核燃料物質等取扱税税収見込みとして六十七億という額で示しているわけでございます。その積算基礎というのが事業計画と整合していない、私はそう考えているんです。その辺をひとつ総務部長からお話をいただきたい。  それからもう一つは、普通の条例の際の一部変更が生じた場合は条例の一部改正案で通るわけでございますけれども、これから予想される再処理施設及び高レベル放射性廃棄物貯蔵施設についても、いずれ事業指定がおりたときに課税対象として追加するわけですから必ず変更が生じてくる、その変更が生じる場合には、先ほど申し上げましたように、地方税法第二百五十九条によってあらかじめ自治大臣の許可を受けなきゃならぬというそういう条項がある。ですから、「変更を生じる場合にはこういう手法で」と、これを条例の中に明確にしておくことが健全な条例になっていくんでないだろうか、こういうふうに私は考えるわけでございますが、できたらその辺について再度のお考えをお示しいただければ幸いでございます。  それから県病の事故の問題につきましては、今後かような事故が生じないように一層の改善を図っていただきたいことを強く要望しておきたいと思います。  最後に高等学校の教育費父母負担の軽減の問題でございますけれども、私が心配するのは、六十九校の全日制高校すべてが後援会組織を持っており、そして、先ほど教育長が述べましたように八億一千五百万に上る金額というものを子供たちから集めているわけなんです。その使い方というのも、先ほどは、一億六千万、一九・八%というお話でございましたけれども、そのほとんどが教育環境の整備、あるいは教育教材の充実、あるいはもう一歩進めてその学校に所属する先生方の研修費に充ててる。この実態を考えてみたときに、規模の大きい歴史のある学校は後援会費を集めることが非常に容易にできてるんですね。しかし、今できた新設高校ではなかなか集まらないんです。そこにおのずから学校間格差というものが生じてくる、またPTAの会費、授業料等を含めますとかなりの父母負担というものが増加されているんじゃないだろうか、この辺について、八億一千五百万という膨大な徴収をしている後援会の今後のあり方等にも検討の余地があるんじゃないだろうかというふうに考えるわけでありますけれども、その辺についていま少し教育長からお話をいただければと思うわけでございます。以上でございます。 16 ◯議長(鳴海広道君) 総務部長。 17 ◯総務部長(伊藤 廉君) 和田議員からの二点の再質問にお答え申し上げます。  まず、事業計画税収見積もりの根拠となるものが違ってるではないか、むしろ過大見積もりの可能性はないのかという御質問でございます。和田議員はるる数字を申されましたが、和田議員の御指摘の数字は、例えば濃縮ウランでありますと、分離作業量単位──SWU単位の数字でございます。これが製品六弗化ウランになって課税の対象になるものでございます。したがいまして、私どもが税収見積もりを行っております事業計画におきます指摘の単位の違いでございまして、私どもの現在の税収見積もりの基礎は全く同じでございます。もう少し具体的に御説明申し上げますと、例えば平成三年度の製品六弗化ウランの重量を約三十トンと見込んでおるわけでございます。これをいわゆるSWU──作業量単位のトンに直すと約八十七・五SWUとなるところでございまして、整合性はとれているものと考えます。さらに、低レベル放射性廃棄物の埋設施設についてでございますが、課税の方法につきましては、税負担の均衡を図るということから、課税標準のとらえ方としては、各月末の廃棄物容量の合計の十二分の一を容量として年間を平準化していくというようなその結果として課税対象を把握しておりまして、御指摘の、事業計画の生の容量と比較すると数字は異なってございますが、その整合性はとれているものと考えております。いずれにいたしましても、今後操業状況いかんによりまして税収も当然変わってまいります。したがいまして、今後の操業状況を的確に見きわめながら税収を計上し、財政運営に支障のないように措置をしてまいりたいというふうに考えております。  それから第二点目の、今後五年間の更新時、あるいは再処理施設等が追加された場合の条例の規定のしぶりでございますが、先ほど御説明したんですが、私どもの規定のしぶりとしましては、他の道府県における核燃料税、これは法定外普通税でございますが、その規定のしっぷりと基本的に同じような規定の仕方をしてるわけでございます。まあ、具体的に五年後の更新時の場合の考え方としましては、これまでの条例を失効いたしまして全く新しい条例をつくるというような対応という考え方で現在の条例の規定っぷりをしているわけでございます。なお、再処理施設が追加された場合、例えばこの五年間に仮に再処理施設が追加された場合で議員御指摘のようにこの条例に追加する場合は自治大臣の許可が必要となります。その具体的追加方法の条例の規定ぶりについては、今後全く新しい条例にするのか、さらに施設一部改正にするのか等につきましては、今後その段階で検討していきたいというふうに考えております。 18 ◯議長(鳴海広道君) 教育長。 19 ◯教育長(山崎五郎君) 父母負担の軽減につきまして、後援会についてて今後どういうふうにやっていくかということについての再度の御質疑でございますけれども、先ほどお話し申し上げましたように、毎年度学校納付金の徴収状況を調査いたしまして、特に後援会等に対しましては、具体的に項目を挙げて、こういう観点から見直しを行うようにというふうな細目があるわけでございます。例えば、事業の内容、執行状況につきまして、必要性、緊急性、効率性等の観点から継続的な見直しを行って徴収額の軽減に努めなさいとか、そういうふうなさまざまな具体的な形で指導申し上げておるわけでございまして、先ほどお話し申し上げましたように、昭和六十年度から平成元年度までの間に三割から二割まで減少したという努力の跡があるわけでございます。今後ともとかなり具体的に後援会への指導を行いまして父母負担の軽減については努めてまいりたいと思っておるわけでございます。 20 ◯議長(鳴海広道君) 五十一番浅利稔君の発言を許可いたします。──浅利稔君。 21 ◯五十一番(浅利 稔君) 議案第一号「青森県核燃料物質等取扱税条例案」について若干お伺いいたしたいと思います。ただいまも和田議員からお話がありましたが、再処理施設等についての一応の考え方も示されたわけですが、もう一度確認さしていただきたいと思います。この税につきましては、須藤議員から専門的な立場からの御発言があり、今回このように制定する意味で提案されたわけでありますが、今、用語についても和田議員からお話がございました。聞いてみますと、例えば附則の五年の時限立法でありますけれども、その都度更新していくという説明が今あったわけでありますが、他県の条例をそのままというような御答弁もあったわけですが、だったら、「効力を失う」という文面を「更新する」というぐあいに変えてやってもいいんじゃないかと私は思うんですけれども、この文章だけ見ますと、更新するという規定はこの条例の中には見られないわけです。効力を失って、新たに制定するという説明を受けたわけでありますが、むしろ、五年ごとに更新をするというぐあいにして出してやった方がすっきりしていいんじゃないかなと私は思うわけです。また、内容を見ますと、課税される期間について、第四条の五項ですか、その中に個人の事業者の規定がなされているが、この核燃料等の扱いについて個人の事業者が果たしているのかなと思ったりするわけです。こういう規定を他県に合わせて制定しているわけですけれども、そういう面では、失効の部分については、本県独自のと言えば変ですけれども、主体性のある提案をしてもいいんじゃないかなというぐあいに思うわけであります。また同項の一の方では、まああり得ないことだと思うんですが、事業者が主務大臣から事業の認可の取り消しが行われたことまでもここに掲載されているわけですけれども、その辺を思いますと何か矛盾を感じるような気がするわけであります。和田議員からも今お話がありましたが、この五月に高レベル管理棟並びに再処理施設の補正がなされ、また七月中にもう一回補正されて事業認可申請の許可をとろうとする再処理施設と高レベル放射性廃棄物の貯蔵施設でありますが、今の御答弁では、具体的に事業が行われればこれも改めて条文の中に加え、そして提案するということでありますけれども、事業開始の現段階を踏まえて、課税対象に追加される場合はこの二施設についてどのように課税しようとしているのか、その対応がおありでしたらお示しをいただきたいと思います。  それから、今回、この低レベル埋設施設と濃縮事業の二事業について財政需要を計算し、十年間で七百億円というぐあいに財政需要を立て、そして課税をしていくことになっているわけでありますが、十年間という計算ですから、再処理施設及び高レベル放射性廃棄物の貯蔵施設はこの中に入っているのかどうなのか──七百億円の財政需要の中に今後出てくるであろうと思われる再処理施設及び高レベル放射性廃棄物管理施設もこの中に入っているのかどうなのか、もし含まれているとするならばその額はどのぐらいになっていくのか、キャニスター一本について課税していくのか、また使用済み燃料についてどのような対応をしていくのか、この二施設の課税対象と税率についてもしおわかりでしたらお示しをいただきたいと思います。  まあ、税が課せられるわけでありますから、当然事業者は電気の使用料金に転嫁していくと思うんでありますが、今回この二施設に課税された場合電力料金へのはね返りをどのぐらいに試算されているのか、もし試算されているならばお示しをいただきたいと思います。また、現在の電力料金には今外国に委託している再処理等の金額も加算されていると思いますが、それらについては、濃縮の費用とかそれらの費用についてどの程度影響しているのかお示しをいただきたい。  以上、簡単でありますが質問といたします。 22 ◯議長(鳴海広道君) 総務部長。 23 ◯総務部長(伊藤 廉君) 今回提案いたしております「青森県核燃料物質等取扱税条例案」につきましての何点かの御質問にお答えいたします。幾つか具体的に、個人事業者についてまで規定する必要があるのかといったような例を出されて、この条例案についての字句、さらには更新することについての規定を置くべきじゃないかという御質問がございました。まず、税条例でございます権利、義務といいますか、負担を求めるものでございますので、理論的にあり得るものにつきましては法令上に最大限規定しておかなければならないというような観点から、現実問題としては非常に可能性がないことにつきましても法令との整合性をとるために条例に規定しておるということで御理解いただきたいと思います。また、更新することについて、もう具体的に「更新する」というふうに書いたらどうかというような御提案でございますが、これにつきましては和田議員にもお答えいたしましたように、この法定外普通税は通常以上の税負担を求める等々のこれまでの取り扱い等からして、その更新時点において適宜適切に議会の御審議なり等を受けて、そして検討するということが必要だろうということからこうした規定になっているので御理解いただきたいと思います。  それから、まず一点の、再処理施設及び高レベル放射性廃棄物貯蔵施設についての取り扱いでございます。どのような形で課税しようとしているのかということでございますが、再処理施設及び高レベル放射性廃棄物管理施設につきましては、御案内のとおり、国による事業指定、あるいは事業許可がなされた後に操業時期等を勘案の上課税対象施設に追加したい、と現段階では考えているところでございます。今回の核燃料物質等取扱税の新設は、ウラン濃縮施設及び低レベル放射性廃棄物埋設施設の二施設を対象とするものとして、その仕組み等について自治省と協議いたしまして内諾を得て今定例会に提案しているものでございます。一方、再処理施設等につきましては、この先引き続き検討の上改めて許可官庁と協議する必要がありますので、現時点におきましては具体的な中身について申し上げるところまで至っておりませんが、現段階におきまして自治省から内諾を得ており、今定例会に提案しております条例案からいたしまして、ウラン濃縮施設及び低レベル放射性廃棄物に対する課税の仕組みをも踏まえて私ども独自として考えてみますと、これを従量課税とし、課税対象としては、再処理施設については使用済み核燃料施設への受け入れを、高レベル放射性廃棄物管理施設についてはガラス固化体の管理行為をそれぞれ課税対象とするのが妥当ではなかろうかというふうに考えております。いずれにしましても、具体的な中身については今後さらに検討する必要があると考えております。  それから、財政需要、さらには再処理施設及び高レベル放射性廃棄物貯蔵施設に係る税率等についての御質問でございます。原子燃料サイクル施設の立地につきましては、本事業がむつ小川原開発の工業開発を通じまして地域振興を図るという基本理念に沿うものとして、さらに我が国のエネルギーの安定供給の確立という観点から、安全性の確保を大前提として受け入れを決めているのは御案内のとおりだと思います。今回の法定外普通税は、これらサイクル施設の立地に伴い、県として交通体系の整備を図るための民生安定対策等の諸施策を実施する必要があるといったような状況、脆弱な本県の財政構造を踏まえ、県勢発展のため地方税の仕組みの中で認められてる制度を最大限に活用して税源の確保等を図る必要があるというようなことを勘案して創設することとしたものでございます。法定外普通税の基礎となる財政需要としては、これは税率設定との関連で見込まなければならないわけでございますが、再処理施設等も含めまして今後七百億円余を見込んでおります。これらの財政需要は、サイクル施設が一カ所に集中立地されること等により各施設ごとに区分することは困難でございまして、今回のウラン濃縮施設及び低レベル放射性廃棄物埋設施設に対する核燃料物質等取扱税の創設に当たっては、これらを踏まえまして自治省と協議をし、当面操業が見込まれる二施設について税率を設定した事情にあるところでございます。また、再処理施設等を課税対象に追加することとする場合には、改めて財政需要等を見直しの上、協議等が必要でございますが、再処理施設及び高レベル放射性廃棄物管理施設に係る財政需要が幾らになるか、すなわち、税率設定との関連でどういうふうに設定するかは具体的には申し上げるところまで至っておりませんが、今回のウラン濃縮施設等の税率等を踏まえて考えてみますと、再処理施設等の操業がどの程度になるかということと大きくかかわってきますが、ある程度現在の事業計画が平準化したというような時点を踏まえますと、ウラン濃縮施設等の平成三年度の現段階での税収見込み額約二十七億円の二倍程度の税収が見込まれるのではなかろうかというふうに考えているところでございます。  それから第三点の、今回提案いたしております核燃料物質等取扱税が課税された場合の電力料金へのはね返りは試算できるのかといったような問いでございます。核燃料物質等取扱税が電力料金へどのような影響を与えるかにつきましては、税の負担についての納税義務者である事業者が今後どのような経営を行っていくかということにも密接に関連することであり、県として影響額を具体的に試算することは非常に困難であるのは御理解いただけると思います。しかしながら、私どもが独自に、本税が濃縮役務料金等にそのまま上乗せされて顧客であります電気事業者等が実質的に負担することになるものとし、さらに、販売電力量が今後一定に伸長する──これまでと同じような伸びで伸長するというふうに非常に大胆な幾つかの仮定を置きまして、さらに、平成三年度から平成七年度までの課税標準見込み量に対する税収見込み額に基づきまして試算したところによりますと、一キロワットアワー当たりの平均税負担額は約千分の二円程度になるものではなかろうかというふうに見込まれます。なおこの税負担につきましては、他の原子力発電所におきます核燃料税のみなし電力当たりの課税負担額と比べますと相当大きな額になっているところでございます。以上でございます。 24 ◯議長(鳴海広道君) むつ小川原開発室長。 25 ◯むつ小川原開発室長(内山克己君) 現在の電気料金の中に再処理あるいは濃縮の費用の経費がどの程度含まれているのかというお尋ねでございますが、議員御案内のように、電気料金は個々の電力会社が総括原価主義をとっており、主務大臣の認可で定められているわけでございます。詳細については承知しておりませんが、ただ、一つの目安として、主務官庁であります資源エネルギー庁が平成元年度から運転を開始する場合の原子力発電所の発電原価を計算してございます。その原価はキロワットアワー当たり九円でございます。そのうち燃料費がどれだけ占めているかと申しますと、約二割を占めている。この燃料費の内訳は、まず鉱石代、すなわちウランの鉱石、それから濃縮の役務、濃縮ウランを核燃料に成型する成型加工、それから再処理、これが約二割でございますから一円八十銭程度でございます。それから、そのうち御指摘ございました濃縮と再処理についてはどうかと、これはまたさらに半分程度ということで約九十銭、このように解されます。以上でございます。 26 ◯議長(鳴海広道君) 浅利稔君。 27 ◯五十一番(浅利 稔君) お答えをいただきました。  今、再処理と高レベル放射性廃棄物の管理棟施設については操業した時点でまた財政需要を計算する、こういうことで御答弁いただいたんですけれども、御答弁の中にありましたが、この施設が一カ所に集中して建設されるということになりますと財政需要も重複することになるんではないでしょうか。そうしますと、この二施設の再処理施設及び高レベル放射性廃棄物管理施設についての財政需要を計算する際に、現在提案されている二施設との重複はどうされるかというぐあいに私は今聞いたんですけれども、この点は認められるものでしょうか、まずそこを一つお伺いいたしたいと思います。いずれにしても、財政需要は今後の社会情勢の変化に伴って相当な需要額になるのではないかと思うんですが、今の御答弁では、そこのところの、施設の重複、そうすると財政需要も重複されてるその部分が見込まれるのかどうなのか、その辺が考えられるわけでありますが、今後いろいろ五年後の改定に向かって、うちの間山議員も申しておりましたけれども、県財政に寄与するための努力もやはりするべきだと私たちも思うわけであります。また、将来のことになりますが、高レベル放射性廃棄物につきましては今回補正でもって五千本追加されたようでありますが、相当長い期間一時貯蔵され、最終処分地がないままだとすれば相当期間置かれるということを考えれば、その点を含めて特別な課税をするべきじゃないかなと私は思うわけでございますけれども、そういう考え方で対応していただきたいなと思います。また、目的税ではないということで県内のいろいろな面に予算として使っていくことができるわけでありますが、電源三法交付金の対象地域、いわゆる六ヶ所周辺に恩恵が──今までのものであれば恩恵をこうむるわけでありますけれども、今の試算でありますが大分少ない反映額だ、こういうぐあいに受けとめたわけでございますけれども、なぜ青森県か、なぜ六ヶ所かという県民感情からすれば県全体に恩恵を及ぼしていかなければならないというぐあいに考えるわけでありますけれども、特に津軽地方に、公共のものも含め、個人的にも個々に恩恵が行き渡るようにしていかなければならないというぐあいに私は考えるわけでありますけれども、それらの点についてもし見解がありましたらお示しをいただきたいな、こう思います。以上であります。 28 ◯議長(鳴海広道君) 総務部長。 29 ◯総務部長(伊藤 廉君) 先ほど御答弁申し上げましたが、財政需要にはいろんなものが重複してるのかと、さらにはその使い方について御答弁申し上げたいと思います。まず、先ほども御答弁申し上げましたように、今回創設いたします法定外普通税の創設に当たりましてその税率算定の基礎となる財政需要には再処理施設等も含めて七百億円余を見込んでおります。これにつきましては、それぞれの施設について財政需要が明確に区分できません。サイクル施設一本として算定してるわけでございます。なお、今回の財政需要は、繰り返し述べますように、法定外普通税を創設するための税率、あるいは税率の基礎となる現段階でのあくまでも向こう十年間における見込みでありまして、今後この財政需要の中身はサイクル施設の立地状況に伴ってさらに変わってくる、さらにはその中身について見ましても、サイクル施設の立地に伴いまして新たに生じたものから、将来予定したものが前倒し的に事業実施されるもの、現段階において見込まれるものを計上してるわけでございます。したがいまして今後その事業の実施に当たりましては、毎年度の法定外普通税の歳入の状況、さらには補助事業等の枠の獲得状況、さらには財政状況によりまして、例えば、当面は地方債で地方負担額を振りかえて、将来の元利償還をその時点の法定外普通税の収入で充てるとか、いろいろな状況によって弾力的に対応していく必要がある、さらには、先ほども御答弁申し上げましたように、今後再処理施設等の追加、あるいは五年間の更新時におきまして再度、議員御指摘のような観点から適切な財政需要を把握していきたいというふうに考えております。さらにその使い道でございますが、議員御指摘のとおり全県に恩恵が及ぶように、毎年度の予算編成を通じましてその有効活用を図ってまいりたいというふうに考えてるところでございます。 30 ◯議長(鳴海広道君) 午さんのため暫時休憩いたします。 午後零時六分休憩        ───────────────────────────────── 午後三時八分再開 31 ◯副議長(芳賀富弘君) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  質疑を続行します。三十七番須藤健夫君の発言を許可いたします。──須藤君。 32 ◯三十七番(須藤健夫君) 通告の順に従って順次質問さしていただきます。  まず一点目は財団法人青森県出稼協会経営状況説明書であります。平成二年度の出稼ぎ者数は五万二千九百十三人で、依然として全国一の労働力供給県であります。出稼ぎ者の就労動向調査によりますと、出稼ぎ者の家業は、農林業の方が四四・六%、出稼ぎ専業になってる方が二五・一%、建設業が一二・三%の順になっております。就労する産業で見ますと、建設業が六一・二%、製造業が二二%、運輸・通信業が五・二%、こういう順番になってございます。さらに出稼ぎ年数を見てみますと、二十年以上やってる方が二四・三%、五年以上十年未満の方が二二%、十年以上十五年未満が一九・三%、十五年以上二十年未満が一一・五%、したがって十年以上の方が五五・一%を占めているという実態であります。出稼ぎの理由については、調査の結果、「地元に就労したいが職場がない」が二二・四%、「地元の職場は賃金が安く生活ができない」が二二%、「家業だけでは生活ができない」が一七・五%となっております。出稼ぎによる月収の調べでは、二十万から三十五万未満が七〇・五%となっておりまして大半であります。年収で見ますと百万から二百五十万円未満の方が六〇・五%、さらに、地元への就労希望を調べてみますと、地元に勤めたいという方が四五・四、「家業を拡大して出稼ぎをやめたい」が一八・六%、「地元で事業をしたい」が四・二、「地元で商売をしたい」が三・五、これを合わせますと七一・七%という実態であります。地元で働く場合の最低希望月収を見ますと、二十万から二十五万円未満を希望される方が三六・一%、二十五万円から三十万円未満の方が二六・九%、合わせますと六三%という実態であります。さらに、出稼ぎのための技能講習の受講希望を見ますと、五五・一%の方が希望しておりますし、年齢別に見ますと、二十代から三十代の方が二六・三%で、あとは四十歳から五十九歳台が六二・五%を占めているわけであります。この調査項目はもっとたくさんあるわけでありますが、この就労動向調査をもとにして本県の出稼ぎ者の特徴を見てみますと、本来の職業が農業という方が先ほど申し上げたように大変多いわけでありまして、出稼ぎ年数が十年以上になっている、地元に働く場所がないために行っている、あっても賃金が低い、できれば出稼ぎをやめたいが今後も続けていかなければならない、そのためには資格を取得したい、こういう結果ではなかろうかというふうに思っております。それで、今後も出稼ぎをするかという問いに対しては八六・四%の方が「出稼ぎをする」と。「やめたい」という方は一〇・七%にしかすぎません。したがって、当分の間出稼ぎを希望してる方が多いということを実態的にとらえながら、この出稼ぎを前提とした対策が必要なのではないか。出稼協会が実施している給付事業の事故見舞い金給付制度、これらは後ろ向き対策ではございますが、出稼ぎにはそういう傷病や労働災害などがどうしてもついて回るわけでありますので、これらの援護対策事業の充実を図っていく必要があるのではないか、こういうふうに考えるわけでありますのでお尋ねをしておきます。また、出稼ぎ者が資格を持っているかどうかによって賃金の時給の高い低いが出てくるわけでありますので、技能訓練とか労働安全衛生知識の普及など県の立場からも援護対策事業の充実を図るべきではないか、こういうことでまず二点伺っておきたいと思います。  それから次に社団法人青森県農村開発公社経営状況説明書について。この中から感ずるところを伺ってみたいと思います。特に本県の農業では、国内における市場競争や輸入自由化に対応するためにも、生産性の高い農業経営を実現することが基本にされた諸施策が展開されているところでありますが、その中でも農地の規模拡大と担い手育成は一体的なものとして取り組まなければならないところであります。経営規模拡大には農地の出し手と受け手の合意がなければならないし、さらに今後の農業経営を考えれば、資金的に有利な制度がなければ規模拡大に取り組むことも大変困難なことであろうと思うわけであります。農村開発公社の事業内容を見れば、農地保有合理化促進事業、土地利用型大規模経営育成モデル事業、担い手確保事業などがこの条件を満たすものであると考えるわけでありますが、経営規模拡大や担い手確保などでは開発公社の活用を一層図っていかなければならないと考えるわけであります。そのために公社の機能と役割をもっと強化していくことが必要と考えますが、その方針について伺っておきたいと思います。また、農業生産者のために利用されなければなりませんので、農村開発公社が行っている事業内容について農業生産者や市町村農業委員会に対してどのように周知徹底を図り、今後どのような方向で進めていくのか伺っておきたいと思います。  三点目でありますが、社団法人青森県肉用牛開発公社経営状況説明書についてこれから感ずるところを伺っておきたいと思います。牛肉の輸入自由化については、一九八八年七月五日、松本駐米大使とヤイター米通商代表が合意文書にサインをし、牛肉の輸入自由化問題について十年戦争に終止符が打たれたわけであります。それから早くも三年が経過し、ことしの四月一日から輸入自由化がスタートしたわけでありますが、この移行に当たってとられた国境措置として、一年目は七〇%、二年目は六〇%、三年目は五〇%の関税がかけられているわけであります。四年目以降の関税についてはガットの場での交渉で決められることになっているわけでありますが、こういう状況の中で平成二年度の事業実績を見ると、一般会計で二百四十一万一千七百十八円、特別会計で二千六百九十九万六千二百五十九円の赤字となっているわけでありますが、赤字の理由について明らかにしていただきたいと思います。さらに、過去三度にわたって肉用牛開発公社の経営改善計画が策定され経営改善に取り組んできたところでありますが、昭和六十二年度に二千八百四十万五千円の赤字が平成元年度では三百八十三万五千円の黒字になったものの、平成二年度には先ほど申し述べた赤字になったわけであります。今後関税水準の引き下げが進む中で公社の収支見通しには相当に厳しいものがあると思うわけでありますが、どのように見ているのか伺っておきたいと思います。さらに、現在の肉用牛開発公社は畜産試験場と生産者の中間に位置づけられていますが、本県産牛肉の販路拡大を図っていかなければ畜産農家の経営は大変困難になるものと思います。そういうことを踏まえて、公社の収支改善のみにとどまらず、本県畜産振興のために開発公社の事業内容について今後どのように考えているのか伺っておきます。また、本県産牛肉の販路拡大のためにどのような措置がとられているのか、県及び関係団体の取り組みについて伺います。本年度は牛肉輸入自由化が開始されたことから畜産経営者も先行きに不安を感じていることだと思います。このようなときに第三十回青森県畜産共進会が開催されることになっておりますが、輸入自由化を迎えてこれまで以上に畜産振興に励まなければならない畜産経営者に意欲の向上を図ってもらうためにも、これまで畜産振興に努力をしてきた方に対し第三十回畜産共進会において知事表彰を行うなどして一層の畜産振興の一助にすべきではないかと思うのでありますが、県の考え方について伺っておきたいと思います。  最後に青森県住宅供給公社経営状況説明書について、その中から一点伺っておきたいと思います。県営住宅管理事業については、事業費十四億二千四百六十六万五千円、二十三団地五千三十八戸の県営住宅の維持管理を住宅供給公社で行っているわけでありますが、今回車庫法の改正が行われ、保管場所証票が表示されていない車は運行することができなくなりました。また、県営住宅に入居する方も大半は車を所有しているものと思いますが、入居に当たって車庫証明や保管場所の変更があった場合でも届け出をしなければなりませんから、県営住宅の入居に際し車庫証明を発行してもらいたいとの要望が出されております。車庫証明の発行について今後どのようにするのか伺います。また、現在ある二十三団地のうち、駐車スペースのある団地と駐車台数はどのくらいあるのか伺っておきたいと思います。さらに、今後建設される県営住宅には駐車スペースのある敷地を確保すべきだと思いますが、このことについて伺っておきます。以上であります。 33 ◯副議長(芳賀富弘君) 山内副知事。 34 ◯副知事(山内善郎君) 御質問のうち二点について私からお答えをいたしたいと思います。  社団法人農村開発公社は、ただいまお話がありましたように、農地の規模拡大と担い手の育成のため農地の流動化に努めてきたところでございますが、その面積は県全体で一年平均大体二千八百ヘクタール程度で推移しているところでございます。しかしながら、農産物輸入自由化等を背景とした厳しい農業情勢の中で、本県農業の体質強化のためには農地流動化の促進がこれまで以上に急務となっておりますので、各市町村農業委員会に設置されております農地銀行との緊密な連携のもとに、農地流動化情報の一元化や市町村区域を超える広域的な流動化のための掘り起こしをしていく体制の整備を図る等公社機能の強化に努めるとともに、税制上の優遇措置、土地代金の即時支払い、小作料の一括前払い等の公社事業の利点についてより一層の周知徹底を図るために市町村農業委員会及び農協等との連携を強化するなど、普及組織等の協力も得ながら公社事業の拡大に努めてまいりたいと思っております。また、公社事業の周知徹底の件でありますが、市町村農業委員会、農協等を対象として県や農業会議が行う会議、研修などの場を通じて従来普及啓蒙に努めてきたところでありますが、しかしながら、今のところ公社事業を活用してない市町村が毎年三十市町村程度ございますので、十分な浸透が図られていない現況にございます。このため今後は、これまでの県等による普及啓蒙に加えまして、公社みずからが未利用市町村への協力を要請し、また、全農家へのパンフレット配布によるローラー作戦の展開などに努めてまいるよう努力してまいりたいと存じております。  次に肉用牛開発公社の件でございますが、肉用牛開発公社は昭和四十四年に設立されて以来、ヘレフォード種を中心とした大規模農場の運営によりまして下北地域の肉用牛生産に寄与してきたところでございますが、経営は必ずしも順調とは言いがたく、これまで三回にわたる経営の改善計画によりまして公共性と企業性を加味した経営とその体質の強化に努めてきた結果、平成元年度におきましては単年度において初めて黒字決算となりましたものの、平成二年度は再び赤字となりました。この理由といたしましては、自由化前三年間に行われた大幅な牛肉の輸入枠拡大の影響等によりましてヘレフォード種の肥育牛価格が低落したことから公社の販売収入が計画を下回ったものでございます。今後の収支の見通しにつきましては、本年四月から牛肉の輸入が自由化され、今後さらに関税率が毎年段階的に引き下げられることになりますので、ヘレフォードを取り巻く環境は一段と悪化し経営は一層厳しくなるものと受けとめてございます。したがいまして、現在畜産団体や関係者から公社の経営について具体的な提言等がなされておりますので、これらの意見を踏まえまして牛肉の輸入化に対抗できるような経営計画を可及的速やかに樹立いたしまして、これを実行に移すことによって本県肉牛生産の中核的役割を果たすように努めてまいりたいと存じております。また、ことし十和田市で開催されます畜産共進会は三十回の節目を迎えることになりますので、御提言にもありましたように県内の畜産功労者に対して知事表彰等も考えてまいりたいと存じます。販路拡大につきましては農林部長からお答えすることにいたします。 35 ◯副議長(芳賀富弘君) 谷川副知事。 36 ◯副知事(谷川憲三君) 出稼ぎ対策に関する二点の御質問にお答えいたします。まず、出稼協会で行っております事故見舞い金給付制度の充実を図るべきではないかということでございますが、この事故見舞い金給付制度の加入者は現在二万八千七百二十六人で、加入率は五四・三%となっております。この制度は昭和五十四年発足後十三年経過しておりますけれども、給付額は発足以来一部を除きまして一度も見直しをされてないというのが現状でありまして、近年その見直しの要望があることは認識をいたしております。ただ、この制度の運用の基本は互助方式ということで、見直しは加入者の掛金との見合いで考慮されるべきものであると考えております。したがって、今後出稼ぎ労働者の皆さんの意向を調査し、あわせて市町村等の意向も徴しながら、その結果を踏まえてこの給付額の改善等について検討してまいりたいと考えております。  また、第二点の、県としての出稼ぎに対する援護対策事業についてであります。県としては、出稼ぎ者や留守家族のための出稼ぎ相談活動、あるいは出稼ぎ先での健康管理のための就労前健康診断の実施、あるいは安全就労啓蒙活動、そしてまた出稼ぎ労働者就労前の技能講習等の諸事業を実施いたしているところであります。今後とも、市町村、県出稼協会等と密接な連携をとりながら、出稼ぎ労働者が安全な就労ができるように、また、資格を取得してさらに好条件の就労ができるよう援護対策事業の充実に一層努めてまいる所存であります。 37 ◯副議長(芳賀富弘君) 農林部長。 38 ◯農林部長(本儀 隆君) 牛肉の販路拡大についてお答えいたします。これまで牛肉も含めた県産農畜産物やその加工品の販路拡大を図るということで、県内外におきます物産展の開催ですとかアンテナショップの開設といったことをやってきましたし、イベント、産直、体験交流などの消費者対策の充実を図るといったいろんなことをやってきております。また、特に牛肉につきましては、県経済連あるいは農協等に助成いたしまして放牧肉用牛流通改善対策事業ですとか青森県畜産物消費流通対策推進事業といったことをやって、県内外の販売指定店に対する通年定量供給、あるいは求評懇談会の開催といったことをやって販売促進に努めてきたところでございます。さらに、本年四月から牛肉の自由化がなされたということでございまして、産地間競争の激化に対応していくため平成二年度から青森県産牛肉銘柄確立推進事業を実施し、県内の生産から流通販売に係る肉用牛関係者の総意を得て、県産牛肉の銘柄確立を通じた安定した販路拡大を図ってまいることとしてございます。以上です。 39 ◯副議長(芳賀富弘君) 土木部長。 40 ◯土木部長(池田達哉君) 私からは、県営住宅で特に住宅供給公社に委託してるものの駐車場、車庫証明の関係でございますが、県はこれまで県営住宅の入居者に対しましては、自動車の所有者が自己の責任において保管場所を確保するよう指導してきたわけでございます。したがいまして車庫証明に必要な使用権原の証明は行っていなかったわけでございますが、近年のモータリゼーションの進展に伴い車の保有がごく普通となってきたこと、及び「自動車の保管場所の確保等に関する法律」等が改正されたわけでございまして、これに伴いまして県といたしましては、自動車保管場所を管理する組合を結成させまして、県営住宅の敷地の一部を自動車の保管場所として利用させることとしたわけでございます。その組合が県営住宅の入居者に対して車庫証明に必要な使用権原の証明書の発行ができることとしたところでございます。また、現在入居者に対しまして、これに関連しましてこの方針に基づいての説明会を開催するなど準備を進めているところでございます。  それから、県営住宅の団地のうち駐車スペースがどのくらいあるか、特に公社管理の二十三団地についての御質問であったわけでございますが、現在供用済みの県営住宅のうち住宅供給公社に委託しておりますのは二十三団地、五千四十二戸あるわけでございますが、この中で駐車スペースは四千二百五十台でございます。また、全体で三十二団地抱えておるわけでございますが、五千七百二十八戸ございまして、約四千七百台の駐車スペースがあるということでございます。  それからと今後建設する団地の駐車場についての計画でございますが、一住宅当たり一台というのが望ましいわけでございますが、敷地の関係等もあるわけでございますから、団地の有効活用を図りながらできるだけ可能な限り駐車スペースを確保することとしたい考えでございます。以上でございます。 41 ◯副議長(芳賀富弘君) 須藤君。 42 ◯三十七番(須藤健夫君) 最初に土木部長に確認をしておきたいんでありますが、車庫証明の発行の準備を今進めているということでありますが、これはいつからやるということをひとつ明らかにしていただきたい。これは、保管場所の変更届の義務違反の場合は十万円以下の罰金、車庫なし自動車の場合は、運行禁止とあわせて罰則が三カ月以下の懲役または二十万円以下の罰金ということで、三万円から二十万円というふうに大変高くなっている厳しい車庫法の改正でありますから、できるだけ早くやっていただきたいなと思っておりますので、その実施時期についてだけ伺っておきたいと思います。  あとは要望させてもらいたいんですが、出稼ぎ者の実態についての就労意識動向調査というのがあるんでありますが、かなりきめ細かいものでありますけれども、これから先も出稼ぎがずっと続くという前提で考えますと留守家族対策も含めて調査の対象にしていくべきではないか、こういうふうに思うわけであります。特に、出稼ぎ先での賃金が高いのでということで地元就職をしないでそこにぼんと行く若い人も大分いるようでありますが、収入が高いということと労働の実態──安全が守られているのか、労働安全衛生が一体どうなってるのかというふうなことも、今は行った先で調査をしておりますが、帰ってきた段階で調査項目をふやしてその実態を明らかにしておくことが大事ではないか、こういうことで調査の内容についてもっときめ細かいものを実施していただきたい、これは要望しておきたいと思います。  それから、出稼ぎ地域というのは東北に限られておりますが、中でも青森、岩手、秋田がその大宗を占めるわけでありますけれども、昭和四十七年度は、本県の場合は七万五千七百九十五人という出稼ぎで、秋田県は七万三千二十八人。ところが元年度を見ますと、本県の場合は五万四千二百二十一人、秋田県は二万四千八百八十四。出稼ぎが多いというこのことがいろんなところに与えるイメージが、「青森県は暗くてどうも」という感じを持たせることは決していいことではない。ですから、秋田県とか岩手県はかなり出稼ぎ者数が減少して今は本県の場合の半分以下になってるわけでありますが、それは統計上そうなっているのか、出稼ぎが解消されたその原因というものを十分分析をして、そして出稼ぎを地元就労の場に切りかえるというそういう対策も大事ではないか、こう思うのでありますので、実態が余りにもかけ離れて、青森県だけが断トツの五万四千、あと多くても二万四千、こういうことで非常にイメージ的には暗くてマイナスイメージを与えるんではないか、そういうことを考えるわけでありまして、これからも出稼ぎを続けなければならないという方が八六%もいるわけでありますので、他県の状況、そして出稼ぎをだんだん少なくしたそういう実態を把握して対策を立てるように要望しておきたいと思います。  それから、グループリーダーの方に、労働安全衛生といいますか、それと保健などに非常に詳しい方々を委嘱して、出稼ぎ者の職場環境、生活環境等出稼ぎ先でいろんな面倒を見てもらってる。このグループリーダーの果たす役割というのは出稼ぎ者にとっても大変心強いことでありますし、これは本県出身の方でないだけに、県の立場からそういう方々に対して十分な対応策を講じていただきたい、そして、出稼ぎ先の労働実態、生活環境の実態、そういうようなものをグループリーダーの方からいろいろ率直に聞いて対策を講じていただきたい、これは要望しておきたいと思います。  それから牛肉の問題でありますが、今輸入自由化でこれから関税措置がだんだん下がってきますとなかなか大変な実態を迎えるんではないか。まあヘレフォードがいいか悪いかという議論もいろいろあったわけでありますが、今の日本人の牛肉消費量は、まあ加工食品を含むようでありますが年間五・四キログラム食べてる。これが値段が下がっていくと、輸入自由化後には恐らく十ないし十五キログラムぐらいの年間消費量になるんではないか、こういう見方をしております。現在は脂身のあるのが大変おいしいということで非常に高く売れているわけでありますが、たくさん食べるようになると、健康志向の食べ物としては脂を避ける、そうすると赤身肉の方がむしろ珍重されるんではないか、したがって、先々の健康食品と、また食生活の改善とあわせたそういう販売戦略も立てるべきではないか、こういうふうに考えるわけでありますので、本県畜産の中ではどういうものがいいのか、これは、今高いからと高いものをやろうとしても志向が変わるとすぐまた安くなる、そういうことを考えて消費、販売の方についても幅広く検討して販路の拡大をぜひ図っていただきたい。その中で、輸入自由化の国境措置がもし撤廃されて関税が三〇とか二〇とかに下がってしまった場合、現在、日本の大手商社──大手の食品メーカーなどでもそれをにらみながらアメリカやオーストラリアに肥育会社を設立してるという実態であります。例えば三菱商事ではもう一万頭の飼育をしてるし、イトマンとスーパーのジャスコが組んで三千二百頭、丸紅では一万五千頭飼育をして、今年度中には二万四千頭の飼育目標だ、伊藤忠商事でも今五千頭で将来は二万頭ぐらい飼育をすると。本県の畜産で年間二万八千頭ぐらい肉に加工してるようでありますが、そういう規模から見ると大変に大きな影響がくるんではないか。ですから、本県の畜産の販売流通ルートもそういうところと結びつけてやれるのかどうか、そういう点からも検討していかなければ畜産の振興もなかなか大変ではないか、こう思うわけでありますので幅広い検討の上に立って畜産振興に努めていただきたい。以上要望して終わりたいと思います。 43 ◯副議長(芳賀富弘君) 土木部長。 44 ◯土木部長(池田達哉君) 車庫証明の時間的なことでございますが、まず新たに車庫証明交付までの一連の手続があるわけでございますが、管理組合設立を中心とした説明会を六月中には行いたい。したがいまして、私どもの方といたしましては、管理組合が設立されましたらその後速やかに手続の迅速化に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 45 ◯副議長(芳賀富弘君) 二十一番木下千代治君の発言を許可いたします。──木下君。 46 ◯二十一番(木下千代治君) 日本社会党の木下でございますが、質疑の通告に従いまして、議案第十七号の「工事の請負契約の件」についてお伺いをします。この議案の内容は県水産増殖センターの全面的新築を図るというものでありますが、今後の二十一世紀を目指して、つくり育てる漁業の中核的な役割と使命を持つ意味から考えて私は大賛成をするものであります。問題とするところは、今日の国内外における水産業の情勢をどのようにとらえ、そしてかつまた、その情勢の分析に立って我が国の水産業の振興についてどのような視点を持って取り組みをするのかが求められているのではないかと思うのであります。近年我が国の水産業は、二百海里時代に突入後、海外漁場の制約の増大や資源状態の悪化などから極めて厳しいものがありますが、今後二十一世紀に向けて国民への水産物の安定供給を果たしていくためには漁業の再構築が最も急務となっていると思うのであります。特に、二百海里が国際的にも定着している今日、我が国自体が持っている二百海里水域という広大なテリトリーを今後どのように活用し豊かな海づくりをしていくかが極めて重要であります。御承知のように本県は三方を海に囲まれ、その海岸線延長は七百四十キロメートルにも及び、太平洋、津軽海峡、陸奥湾、そして日本海と海域特性の異なる水域を有し、いずれも我が国周辺海域の中でも最高の漁場を形成しており、全国でも有数の水産県となっておりますが、このような条件下の中で今後本県の漁業の発展を考える場合、これらの水域における沿岸資源の最大活用に向けて全力を傾注していくことが緊要であろうかと思うのであります。このような中にあって県としては、老朽化の激しい水産増殖センターを今年度と来年度の二年間にわたって全面新築し、試験研究・指導機関としての機能をより一層強化充実する方針であるようでありますが、本県の基幹産業の一つである水産業の健全な発展を図るためその効果を大いに期待するものであります。そこで第一にお伺いしますが、本県の沿岸漁業振興、とりわけ栽培漁業の推進を図っていくためには、水産増殖センターによる栽培技術開発並びに漁場づくりとしての沿岸漁場整備開発事業を積極的に進めていくことが極めて必要であろうかと思いますが、県水産増殖センターの全面新築に当たっての基本的な考え方をお伺いするものであります。  第二に県内における漁業振興対策についてお伺いします。最近農水省がまとめた一九九〇年の漁業、養殖業の生産量は一千八十八万七千トンということで、前年に比べて九%の減少となっているのであります。また、海外の漁業規制強化と不漁が続いた遠洋漁業を初め沖合・沿岸漁業においても減少し、遠洋に沖合、沿岸を合計して海面漁業は九百三十三万八千トンと一〇%の減少となって、一九八〇年以来十年ぶりに一千万トンの大台を割ったと言われておるのであります。このように、遠洋漁業を初めとして、沖合・沿岸漁業と養殖業がそろって減少という情勢の中でその厳しさは一層深まってきているのであります。我が青森県としてもこれらの情勢を厳しく受けとめて、県内における漁業振興についての対策を確立しなければならないと思います。そこで次の四点についてお伺いをします。その一つは、海域の総合利用をねらいとした、多段式養殖を実施する潜降浮上型人工海底の開発についてであります。既に岩手県において平成元年度から研究開発していますが、本県においても海洋牧場の一つとして研究開発し、養殖など多目的に活用する考え方と実施の見通しについてお伺いします。その二つは市場高値のアワビの栽培漁業についてであります。県内におけるアワビの漁獲状況は必ずしも安定した成長生産になっていない結果にあります。一九八五年は八十三トンで四億八千二百二十八万円であり、一九八六年は九十二トンで四億六千三百九十二万円であります。一九八七年は六十四トンで三億一千八百二十八万円であり、一九八八年は三十八トンで一億八千八百五十五万円であり、一九八九年は二十七トンで二億八百十九万円という状況になっているのであります。こうした状況の分析に立ってこれまでも稚貝の放流を積み重ねてきているところでありますが、一九八九年度においては県内二十二カ所に百十六万七千個放流されているのであります。しかしながら、なぜか安定した成長生産が見えない今日において漁民生活は苦しい立場に立っているのであります。これらの栽培漁業についてより一層効果の上がる放流方法を追求すべきと思いますが、その考え方についてお伺いをします。その三つはドナルドソンニジマスの養殖についてであります。県と大畑町、大畑町さけます養殖漁業研究会の三者のもとでドナルドソンニジマスの養殖事業についての取り組みをしてきているのでありますが、この海中飼育の基礎試験研究は極めて高い実績をおさめており、八〇%以上の生存率を記録し、ニジマスをはるかに上回る成長と肉質の良好さが確認されたところであります。今日までの生産状況は、一九八九年において一千四百六十匹の出荷量で三千七百九十六キロ、金額にして五百三十万円であります。一九九〇年においては一千四百十七匹の出荷量で三千四百六十一キロ、金額にして四百二十二万円であります。このように、大畑町のさけます養殖漁業研究会のたゆまぬ研究努力によって、しかも全国でも例が少ない外海での本格的な養殖事業化に大きな展望が開かれたことは我が県にとってはまことに喜ばしいことだと思うものであり、心から敬意を表するものであります。大畑町で取り組んでいるこのようなドナルドソンニジマスの養殖について、県としては事業化に向けてどのような対応を図るのかその考え方をお伺いします。その四つは、各地域での栽培漁業に対する技術開発の強化についてお伺いをします。今日栽培漁業について、各地域において各種の魚種について調査研究に取り組んでいるところでありますが、これらを総合的に統括し、計画的に、総合的に推進していくことが最も重要と思いますが、これに対する県としての見解についてお伺いをするものであります。  次に、議案第八号「青森県病院事業条例の一部を改正する条例案」に関連してお伺いをします。県立中央病院の健全な運営をめぐる課題は極めて多く山積しているのでありますが、県民の医療を確保するためにその施設及び機器、医師などを充実し、県内における基幹総合病院として県立中央病院の持つ役割は極めて大きいものがあると思うのであります。これまでもこのような観点から、県立中央病院の事業経営についてその健全化を図るため、地方公営企業法に基づき、不採算部門の運営にかかわる経費を初めとする負担金、経営改善対策費補助金などを繰り出しし病院運営の安定に努められているところであります。ところが、県立中央病院において去る四月、生まれたばかりの赤ちゃん三人を取り違え、誤ったままそれぞれ別の親元に引き取らせていた事件が発生したのであります。県立中央病院に対する県民からの不信が高まっているのであります。今日県立中央病院は大きな赤字を背負っております。このために県立病院運営審議会などにおいては大変な御苦労をされておると思うんでありますが、健全な安定した運営を図るために赤字解消に向けての経費の節約、人員の合理化などが行われているようでありますが、これらの体制が、持つ労働過重もあるやに聞き及んでいるのであります。そこでお伺いしますが、県立中央病院における赤ちゃん取り違え事件について先ほどもその経緯と今後の対策について答弁がありましたが、それをお伺いするわけであります。  次に、体外衝撃波結石破砕装置についてお伺いをします。この機器の特徴は、第一に圧電効果を応用した衝撃波、第二に超音波リアルタイム方式結石探査、第三に無麻酔治療、第四にECG同期が不要、第五にすぐれた経済性、第六に広い適応症などが挙げられているのであります。つまり、手術をしないで圧電効果を応用した衝撃波をもって結石を破砕するところにあるようであります。そこでお伺いしますが、県内病院における腎及び胆石破砕装置の設置状況はどのようになっているのか、また県立中央病院で導入する考えはないのかお伺いをして質疑を終わります。 47 ◯副議長(芳賀富弘君) 環境保健部長。 48 ◯環境保健部長(増田和茂君) まず一点目の、県立中央病院におきます赤ちゃんの取り違え事故についてでございます。この件につきましては午前中に和田議員に対してもお答えしたとおりでございまして、三人の赤ちゃんを取り違えたということで、県といたしましても、赤ちゃんの御両親、さらには県民の方々に心からおわびを申し上げたいと考えてございます。また事故の原因につきましては、全く基本を忘れた看護体制に原因があったということは明らかでございます。事故後の対策といたしましては、先ほども申しましたが、新生児からは絶対ネームバンドを取り外さないこと、かつ新生児の足などに名前を記入すること、ということを事件後行っております。要するにダブルチェックを徹底してやるということでございます。また、未熟児室以外の全部門につきましても改めて病院で総点検を実施してございます。その総点検の結果を踏まえまして二度とこのような事故が起こらないように万全の対策を立ててまいりたいと考えてございます。  続きまして、体外衝撃波結石破砕装置についてのお尋ねでございます。確かにこの装置は、おなかの手術をしないで──開腹手術をしないで尿管結石だとか腎結石、また胆石を治療する装置でございます。患者さんに対する侵襲が非常に少ないということで現在注目されているわけでございます。現在本県におきましてこの体外衝撃波結石破砕装置を設置している病院は、県立中央病院にはございませんが、賢結石破砕装置につきましては二病院、胆石破砕装置につきましては一病院が整備してございます。県立中央病院におきます当該機器の整備につきましては、県内におきます高額医療機器の適正配置という観点、また、県病の全体の整備計画の中で緊急度を勘案しながら検討してまいりたいと考えてございます。以上でございます。 49 ◯副議長(芳賀富弘君) 水産部長。 50 ◯水産部長(岡村康弘君) 五点の御質問にお答えいたします。  まず水産増殖センターの新築についての考え方でございますが、いわゆるつくり育てる漁業の中核的役割を果たしてきた増殖センターの施設も、二十三年を経過いたしまして、施設の老朽化はもとより機能面においても最近は多様な要請に適切に対応できなくなってきている状況にあり、約三十億円をかけましてことしと来年度の二カ年で全面新築を行い、研修機能をも備えた総合的研究機関として強化を図ってまいりたいと考えております。施設の特徴といたしましては、栽培漁業の試験研究に必要な親魚──親の魚でございますが、親魚の飼育、餌料培養等施設を整備し充実を図ること、あるいは、種苗生産、試験研究の基本となる水温、水質、水流等の環境を人為的にコントロールする施設整備とか、試験する魚──試験魚の魚病発生を抑えるためのオゾン発生装置の設置などいろいろありますが、いずれにいたしましても、栽培漁業の拠点施設として、本県沿岸城における魚類、貝類等の重要水産資源の種苗生産技術あるいは量産技術の開発確立に努めてまいりたいと考えております。  二点目でございますが、岩手県で平成元年度から研究開発している潜降浮上型人工海底の本県での実施見通しについてのお尋ねであります。岩手県では平成元年度から三カ年計画で一億五千万円を投じ、海洋科学技術センターと共同し、海中で潜降──潜ったりし、あるいはまた浮上する機能を有する大型人工海底施設の開発を図っており、この海底部分に収容するアワビ、クロソイ、これらの水産生物の生育状況等を評価する実証試験を行うと聞いております。この事業は海岸線が入り組んで比較的穏やかな内湾を対象としていることから、本県のように波浪の厳しい開放的な外海域では応用することは難しいものと考えております。しかし、このような大型人工海底施設の開発は、海中を立体的に利用するという観点から非常に興味のある課題であり、本県といたしましてもこの事業の推移に注目してまいりたいと考えております。  三点目であります。アワビの栽培漁業についてより一層効果の上がる放流方法を追求すべきではないかというお尋ねであります。アワビの種苗生産につきましては、階上にある県栽培漁業公社で平均二十ミリサイズの稚貝を毎年百十万個程度生産し県内の各漁協に対し出荷しており、各漁協ではこれをさらに中間育成し、約三十ミリサイズまで育成した後で池先の漁場に放流いたしております。このため、近年漁獲されるアワビに占める放流貝の割合は年々高まってきており、放流の効果が確認されております。しかし中には放流効果が十分にあらわれていない地区も見られますことから、既に調査済みの放流効果を高めるための調査結果を踏まえ効果的なアワビの放流に関する手引書を作製し、今後はこれをもとに指導し放流効果を高めるように努めてまいりたいと考えております。  四点目であります。大畑町で実施しているドナルドソンニジマスの養殖について、事業化に向けての対応はいかにというお尋ねでございます。ニジマスの改良品種でありますドナルドソンニジマスの養殖につきましては、平成元年度から大畑町さけます養殖漁業研究会が海面を利用して試験的に実施しており、平成元年度には約三・八トン、平成二年度には約三・四トン、一千二百匹──一千二百尾になりますか、の生産を上げております。県といたしましても平成二年度から、この研究会の試験事業とあわせ、外海城での養殖に関する飼育管理の技術、あるいは生けす等の施設の維持等養殖技術の確立を目指して調査に取り組んでいるところであります。平成二年度の調査結果によれば、一尾当たり平均六百グラムの魚を約六カ月間養殖することにより約四倍の二・五キログラムに成長させることができます。これを即売するに当たっては、キログラム当たり約一千二百円、まあ一本ですと約三千五百円前後になりますが、比較的高い値段で出荷されるところであります。また、平成二年の十一月、さらに三年二月の二度にわたっての大波浪で漁港施設や漁具に大きな損害を与えましたが、この研究会で設置しております沖合の養殖施設についてはこうした災害にも十分耐え得ることが実証されております。こうしたことから、この研究会では、飼育管理はもちろん施設の波浪に対する強さについても自信を深めたところであり、今年度も事業化に向けて試験事業を継続することといたしております。県といたしましても、事業化に必要な、えさと肉質の関係とか出荷サイズの適正化、さらには販路等の調査を継続するとともに、今後大畑町漁協や研究会等関係者と事業化について検討していきたいと考えております。  最後のお尋ねでありますが、栽培漁業における各対象魚種について各地域ごとに調査研究に取り組んでいるようだが、これを総合的、計画的に推進していくことが大切だと思うが、県の考え方はどうかと、本県周辺の海域は四つに区分され、一つは暖流の影響が強く水温の高い日本海、次に、暖流と寒流がまじり合い、しかも岩礁域の多い津軽海峡、そして寒流の影響で水温が低い太平洋、四つ目には内湾性の陸奥湾、といったそれぞれに特性のある海域を有しておりますことから、その特性を生かしたいわゆるつくり育てる漁業の栽培漁業を図る必要があります。こうしたことから昭和六十三年度には、それぞれの海域の環境条件に適し、しかも栽培漁業化が可能であると考えられるヒラメ、クロソイ、マダラ、ホッキガイ等の十種類の魚種について技術開発の目標を定めた青森県栽培漁業基本計画を策定し、これに基づいて計画的に調査研究を進めてきております。これまでのところヒラメにつきましては技術開発を終了いたしましたので、平成二年度から事業化に移行したところであります。今後とも、この栽培漁業基本計画に基づき総合的、計画的に技術開発を進め栽培漁業の推進に努めてまいりたい、かように考えております。以上であります。 51 ◯副議長(芳賀富弘君) 木下君。 52 ◯二十一番(木下千代治君) それじゃ再質問をいたしたいと思います。  まず一つは県立病院の関係でございますけれども、先ほどの、事件にかかわる経緯と今後の対策については、ぜひそういう方向の中で対応してもらいたいというふうに考えますけれども、一つはやはり、私はさっきも触れたんでありますけれども、非常に経営が厳しいという観点に立って、赤字解消をどうしてもしなければならない、この目的はあるんでありますけれども、そういう一つのものにかなり力がかけられて、逆に今度は、人員の合理化とか節約とか、そういう面が同時に併合して出てきているような気がしてならないわけであります。そういう中で、今回の事件が必ずしもこれに関連するとは思えないけれども、県立病院の体制上の問題が一つあるんではないかというふうに考えてるわけであります。したがって、人員の配置等は適正に配置されてるのか。確かに、要員については自治労の皆さんともいろいろと交渉して一定の枠の中で配置をしてるようでありますけれども、しかし、もっともっとそれらのものを考えて、例えば看護婦なら看護婦さんが看護婦自体の任務に専念できるように、そういうものへの対策強化をしていくべきでないのかという点でありまして、これについての見解を求めたいと思います。  それからもう一つは、今度の事件に関連して東奥日報の新聞に出たんでありますけれども、県の人事課では、内容調査をして、病院職員が服務規則に違反していたことがはっきりすれば厳正に処分する、こういうコメントが新聞報道に出ておるということなんであります。もしこれが本当だとするならば、単に個人の問題ではないんじゃないか、やはり今言った体制的なそういう一つの問題もかなりその中には原因としてあるんじゃないかということを私は考えますが、この新聞発表の内容どおりこれから対応するのかどうか、これに対する見解をひとつ示してもらいたい、このように思います。  それから、体外衝撃波結石破砕装置でございますけれども、確かに県内を見ますと非常に設置が少ないという中で、逆にこれに対する患者の皆さんが相当出ておって、かなりな月日を迎えなければその治療ができないということになってるんでありまして、県立病院としてもひとつそういう点で機器を導入してこれらの患者のために対応策として示してもらいたい、これは要望しておきます。  次に水産部に関連する問題でございますけれども、さっきアワビの問題で、種苗放流の中でかなり今効果が上がっているというような答弁がありました。しかし、実際我が下北半島等々を見てもそんなに放流の効果というものが見えない、それがまた漁業者の皆さんの生活に非常に大きく影響をしてくる、こういう悩みがあるわけであります。生産量の推移を見ると依然としてそういう減少の傾向があるというふうに我々は見るんでありますけれども、この点についての県の見解と対応についてお伺いをしたいな、こういうふうに思います。  それから、最近養殖という問題に各漁業協同組合もかなり力を入れてやってきています。確かに今目に見えるのは脇野沢のタラの放流で、これはやはり放流した効果が相当上がってきている。サケ、マスの放流の問題についても非常に効果が上がってきている。ヒラメの問題についても、これは放流したわけでありますからいよいよその効果というものが見えてくるであろう。でありますけれども、しかしそういう中で、たくさんのところがそれに取り組んでいますから、さっきも言いましたように、これを統括してもっともっと強い開発指導というものをして、そしてみんながその目標到達のために前進するようなそういう強い指導をひとつお願いしたい、これは要望でございます。以上です。
    53 ◯議長(鳴海広道君) 総務部長。 54 ◯総務部長(伊藤 廉君) 今回の赤ちゃん取り違え事故に対する関係職員の処分の問題でございます。今回の事故に係る関係職員の責任については、現在事実関係等を調査中であります。その調査の結果により当該責任の所在がはっきりした時点で適正に対処してまいりたいというふうに考えております。 55 ◯議長(鳴海広道君) 環境保健部長。 56 ◯環境保健部長(増田和茂君) 看護体制等経営改善等が影響があるんじゃないかという御質問でございますが、私も医学を学んだ者の一人として言わせていただきますと、これは、看護体制だとか経営改善を論じる以前の、本当に、医学といいますか、医療の原点である二重チェックをなれによって忘れたということがまず原因であったと考えてございます。ちなみに、未熟児室の看護体制といたしましては一貫して二・八体制をとってございます。十六人の看護婦を配置し、日常の勤務体制といたしましては、日勤にあっては六人、準夜及び深夜はそれぞれ二人でございます。ちなみにこの県立中央病院におきます未熟児室の一日平均当たりの入院児数は、昭和五十七年度からの数字で言いましても、最高十一・六人、少ない年では六・八人程度でございますので、看護体制──看護婦さんが少ないという問題じゃ決してないと考えてございます。いずれにいたしましても、現在病院におきまして総点検を実施しておりますので、その結果を踏まえて看護体制等についても再検討は当然していかないとだめだと考えてございます。以上でございます。 57 ◯議長(鳴海広道君) 水産部長。 58 ◯水産部長(岡村康弘君) 再質問にお答えいたします。  先ほど放流効果という視点でお答え申し上げたんでありますが、アワビに関しては、放流のものと天然のアワビという整合点がございますので、その面からも若干御説明申し上げたいと思います。北海道、東北六県のここ十カ年のアワビの生産量は、昭和五十八年には千三百トンありましたが、平成元年には五百四十トンまで落ち込んでおります。もともとアワビの種苗放流は、天然発生を主体とするアワビ資源の減少を補うため行われてきたといういきさつがございまして、最近ではこの天然エゾアワビの生産が落ち込み放流アワビが生産の主体をなしてきている実情にあります。このような天然エゾアワビの生産量減少の原因としては、昭和五十九年の本県連軽侮峡や三陸沿岸の異常低水温が原因だろうと思われていますが、事実解明はなされておりません。そこで、本年度から平成七年度までの五カ年計画で、国の水産研究所と北海道、青森県、岩手県、秋田県がアワビの再生産機構の解明について共同研究を実施することにいたしております。県といたしましては、これらの研究成果を生かしながら本県沿岸漁業の重要資源であるアワビの効率的な増殖に努めてまいりたい、かように考えております。以上であります。 59 ◯議長(鳴海広道君) 木下千代治君。 60 ◯二十一番(木下千代治君) さっきの、アワビの種苗放流の効果があらわれるという問題については、やはり依然として生産量が減少しているというふうな認識に立っていますから、今後さらに、各漁場の特性に見合った効率的な放流技術の開発に向けてひとつ積極的に取り組むように、これは要望をしておきます。  もう一つは、さっき私が言った県立病院の東奥日報のコメントでございますけれども、今の総務部長の話だと厳正処分という方針であるわけですけれども、しかし、服務規則に違反ということを問うということは、さっきも前段で答弁されてるように、従来からこれは、この種の問題には慢性化、なれ合いがあった、こういう一つの見解を示しているわけですね。ネームバンドというものを取り外しするというのはそういう一つの慣行の中でやってきたということの答弁が部長からあったわけですけれども、そういう一つの従来の慣行というものでたまたまそれはやったと思うんだけれども、それが服務規則に違反する、それを間わなきゃならない、こういう姿勢であるとするならば私は重大な問題だろうと思うんです。だとするならばやはり、最高責任者の処分というものを一体どうするのかというところまでそれが発展する可能性は十分あると思うんです。そういう点をぼかして、単に現場の職員が云々というところにこの体制上の大きな問題があるということを私は言っているわけですよ。だから、厳正処分の問題についてはぜひ避けて、そして、もし指導が不十分であるとするならば、そういう問題について徹底的な指導を図っていくというそういう対応をぜひこれはお願いしたい。これに対する見解を示してもらいたい。 61 ◯議長(鳴海広道君) 総務部長。 62 ◯総務部長(伊藤 廉君) 繰り返しの答弁になりますが、現在事実関係等を調査中であり、当該責任の所在がはっきりした時点で適正に処分等を検討してまいりたいというふうに考えております。  〔知事出席〕 63 ◯議長(鳴海広道君) 十番鹿内博君の発言を許可いたします。──鹿内博君。 64 ◯十番(鹿内 博君) 十番の県民クラブの鹿内博でございます。四点について質疑をいたしますのでよろしくお願いいたします。  まず、議案第二十六号「副知事の選任の件」についてでありますが、知事に御出席をいただきましてありがとうございます。副知事というポストは知事の女房役でありますから、知事がこの人をということで提案をする以上、私は知事の提案を基本的に尊重し同意したいと考えますが、三点についてお伺いをしたいわけであります。副知事として必要な人であれば、国であれ、あるいはまた大蔵省であれ、はたまた県会議員であれ、あるいは経済人であれ、その人の出身あるいは経歴や所属等を問うものでありません。しかし、副知事職は、知事の女房役と同時に、県庁の行政組織のナンバーツーの役割と、知事と同様に青森県を代表するシンボルでもあります。それだけに私は、広く人選を行い、できるだけ一年でも長く副知事として在職できる方で、願わくば、青森県にゆかりがあり、あるいは県政や青森県の実情に精通している方をと思っています。しかし、時には、県政の課題によってはその道のエキスパートを一定期間副知事に迎えることもまた必要だと考えます。ところが本県の場合は、山内副知事のほかのもう一人の副知事の方は大体二年から三年でかわり、しかもずっと大蔵省出身であります。私は、現在の谷川副知事を初めとした歴代の副知事の御功績を認め、その御労苦には深く感謝しております。個人の資質をどうのこうのと言うのではありませんし、むしろ現在の谷川副知事にはもっと青森県の副知事として頑張っていただきたい、そう思っているわけであります。残念ながら谷川副知事もこれまでと同じように大蔵省に帰られるようであります。後任としてまた大蔵省から入谷さん──三代続いて名字に谷という字にかかわりのある方がおいでになるようでありますが、副知事のもう一人の方が仮に大蔵省出身の指定席だとすれば、これは制度的に問題があると指摘をして質問をしたいと思うわけであります。その一つは、谷川副知事の退職の理由と、その後任を国・大蔵省から人選した理由をお尋ねいたします。その二は、副知事職についての北村知事の御所見をお伺いしたいと思います。また、副知事以外にも、まあ大変恐縮ではございますが、部長などの幹部職員の中にも国から出向していらっしゃる方がいるわけであります。私は、副知事同様それらの皆様方につきましても御功績を認めつつ、同時にまた御労苦に感謝をしております。私自身出向制度そのものを否定するものではありませんし、部署によってはあるいは一定期間中央等からの出向を必要とする場合もあると考えます。しかし、できるなら地元から一人でも多く幹部職員として登用することが地元の県職員の士気の上からも望ましく、その能力のある地元職員は数多くいらっしゃると思うわけであります。質問の三点は、国から県に出向しておられる幹部職員が依然として多いわけであります。地方自治の観点からできる限り地元登用を図るべきかと考えますが、知事の御所見をお伺いしたいと思います。  次に、議案第八号「県病院事業条例の一部を改正する条例案」についてお伺いをいたします。さきに先輩の和田議員、木下議員から質問がありましたが、県立中央病院における赤ちゃんの取り違え事故についてであります。この問題についての先ほど来からの部長の答弁によりますと、そして私自身考えていきますと、もちろん個々にも問題があるかもわかりません。それはこれからの調査次第でしょうが、一方ではやはり体制的にも問題があったのではないか、そう思います。お伺いしたいと思いますのは、第一点は、先ほどの木下議員への御答弁にもありましたが、平成二年度における中央病院での新生児数と未熟児室の利用状況、並びにその未熟児室の看護体制についてお尋ねしたいと思います。二点目は、新聞報道によれば、以前から未熟児のネームバンドをつけていない、あるいは看護婦が非常に忙しかった、などとあるわけであります。現実に先ほどの御答弁のとおり、深夜、準夜は二人の看護婦しかいらっしゃらないわけでありますから、管理体制自体に問題があったのではないか、そういうぐあいに考えます。  第三の質問は、議案第十九号「工事の請負契約の件」──県立図書館新築工事についてであります。まず、これまで県民の長年の願いでありました新図書館の建設が今始まろうとしていることに、知事並びに教育長初め関係者の皆様方に敬意を表したいと思います。新図書館には、これからの生涯学習社会並びに情報化社会にふさわしい教育施設としての大きな期待を寄せている一人であります。質問の一つは、新図書館に現図書館にはない新たな機能、役割としてどういうものを御計画しているのかお尋ねいたします。その二は利用者の交通の便についてであります。新図書館は青森市中心部から離れ、またバスの運行回数も少ない地域であるだけに、今までのように気軽に利用できないのではないかと心配するものであります。交通の確保対策についてお伺いいたします。その三は、新図書館に併設される近代文学館の内容についてお伺いいたします。関係者の要望と県議会の決議にこたえて近代文学館を併設したことには深く敬意を表します。限られた空間と諸条件のもとでの文学館だけにいろいろ御労苦があると思いますが、広く県民に親しまれ、専門家や文学愛好者から高い評価を受けられる文学館の実現を心から望んでいる次第であります。  第四の質問は、議案第二十三号「工事の請負契約の一部変更の件」についてであります。これは、青森大橋の工事費のうちJR東日本委託分の百二十一億一千五百五十万円が十一億五千万円余りふえて百三十二億六千八百万円余りとなったものであります。質問の一は増額の内容と理由についてお伺いします。その二は、JR東日本に委託して行っている工事以外の青森県の施行部分──約五十五億円余りでありますが、その工事費についての増額がないのかお伺いいたします。その三は、青森ウォーターフロント株式会社の八甲田丸が平成二年度で七千七百万円余りの赤字となりました。この原因と対策についてお伺いいたします。アスパムを初め海を生かした青森市の魅力づくりについて県が努力されていることは評価するわけでありますが、いまひとつその成果が出てこない。アスパムも八甲田丸も赤字になりますと、海を生かした町づくりのウオーターフロント計画というものの考え方なりをいま一度見直ししてみる必要もあるのではないかと考え、問題点として指摘したわけであります。以上でございます。 65 ◯議長(鳴海広道君) 知事。 66 ◯知事(北村正哉君) 鹿内議員にお答えをいたします。  谷川副知事の退職の理由、その後任を国から人選した理由を明らかにせよ、こういうことでありました。副知事谷川憲三は平成元年七月一日に副知事に選任され現在に至ってるのでありますが、今般国の方から復帰させたいという要請がございました。県としては、昨今の厳しい社会経済情勢の中で県行政の重要施策を円滑に推進するため、また、これまで同人が多難な県行政の推進のために尽力されてきたことを考え合わせ、できることならなおしばらく在職させる方向で協議してまいったのでありますが、諸般の情勢を考慮し、このまま本県にとどめるということは困難であろうと認めまして、やむなく七月二日付をもって退職を承認することといたしたものであります。また、その後任としては、最近における社会経済情勢の変化に対応して県の重要施策を強力かつ円滑に推進する立場から広く適任者を求めることが適当であると考え、その結果今回の提案となったものであります。  第二点は、副知事職について知事の所感を伺いたいと、お求めになってる趣旨がちょっと私には必ずしもはっきりしないんでありますが、まあはっきりしないままにお答えを申し上げたいと思います。副知事の職務は、地方自治法の規定に示されておりますとおり、知事を補佐し、職員の担任する事務を監督し、知事に事故があるとき、または知事が欠けたとき知事の職務を代理することであります。このように副知事の職務は県政運営上非常に重要なものでありますが、昨今の厳しい社会経済情勢の中で、地域産業経済の振興を図り、県民福祉の向上、県勢発展のための諸施策を積極的に推進するためその職務はますます重要になってきている、こう考えております。  それから、国から県に出向している県職員が多い、できる限り地元登用を図るべきではないかと、国との人事交流で本県に在職している課長級以上の職員は、副知事を含めますと現在知事部局で十二人であります。これは、東北の各県に比べてみますと、岩手県が十七人、秋田県十八人、宮城県が十一人、山形県十五人、福島県八人と本県十二人ということで、数字だけ見れば必ずしも本県が多い方だとは考えなくともいいのではなかろうかと思うわけであります。国との人事交流は、国から一方的に押しつけられるものであれば必ずしも好ましくないと考えるわけでありますが、国と密接に関連がある重要施策を強力に、かつまた円滑に推進する必要性等を総合的に考慮し人事交流を行ってきているところであります。今後とも国との人事交流には、その都度いろいろな要因を総合的に考慮し、適切に節度を保ちながら対応してまいりたい、こういう考え方であります。以上であります。 67 ◯議長(鳴海広道君) 環境保健部長。 68 ◯環境保健部長(増田和茂君) 県立中央病院におきます赤ちゃんの取り違え事故に関連した御質問にお答え申し上げます。まず、平成二年度におきます県立中央病院で取り扱った新生児数と未熟児数の利用状況、さらには未熟児室の看護体制についてお答えいたします。平成二年度におきましては、中央病院で出生いたしました新生児は八百七十七人となってございます。また、未熟児室に入室した新生児は二百五十三名でございます。この未熟児室に入室した新生児二百五十三名のうち、県立中央病院で出生した新生児が二百二十六人、重症といいますか、重症の未熟児ということで他の病院から搬送されてきたのが二十七人となってございます。また看護体制でございますが、先ほど木下議員の御質問にもお答えいたしましたとおり、未熟児室ではその業務の重大性を勘案しまして一貫して二・八体制をとってございます。十六人の看護婦を配置してございまして、日常の勤務体制といたしましては、日勤が六人、準夜及び深夜がそれぞれ二人、この三交代制を実施しております。また、一時的に煩雑になる少し手のかかる子供が多い場合には産科との応援態勢も整えているところでございます。  続きまして、管理体制自体に問題があったのではないかという御質問でございますが、午前中の和田議員にもお答えしたわけでございますが、県立中央病院におきましては、五十六年の九月に新病院へ移転する前はちゃんとダブルチェック──ネームバンドを外さないということをやっていたわけでございますが、移転後いつごろからかは確定できないわけですが、このように、未熟児室でネームバンドを取り外し、かつ足の裏にマジック等で名前を記入しないということが行われていたということでございます。私といたしましては、先ほども申し上げましたように、これは、管理体制、さらには種々の経営改善を論ずる前に、医学的にいえば二重チェックというのは本当に常識といいますか、絶対やらなければならないことなわけでございますから、まずこの原因といたしましてはやはり、看護、医療の基本を忘れて業務がなれにより行われていたということが問題だと思ってございます。しかし、現在総点検を実施しているところでございますので、総点検の結果を踏まえまして、その中には当然看護体制についての総点検の結果が出てくるわけでございますので、それを含めて今後の対策を立ててまいりたいと考えてございます。以上でございます。 69 ◯議長(鳴海広道君) 土木部長。 70 ◯土木部長(池田達哉君) お答えいたします。  第一点は青森ベイブリッジにかかわる今回の変更の内容と理由でございます。本橋は、JR東日本青森駅を中心に東西に分断された形で発展した本港地区と沖館地区の交通の混雑を緩和して港湾施設の一体化、物流の円滑化を図ることを目的といたしました、市街地を通過せずに青森駅構内をまたいで東西の港湾施設間を連絡する橋梁でございまして、昭和六十年九月に着工し、暫定供用開始平成四年七月を目標に進めているものでございます。また、暫定供用までの事業費は約二百四十億円で、平成二年度までの工事の進捗状況は七六%となっているものでございます。JR東日本委託分の当初事業費百二十一億一千五百五十万円に対しまして今回の変更事業費は百三十二億六千八百十一万二千円でございます。その理由は、我が国最大級のPC斜張橋でありまして、青森県のモニュメントにもなることを基本といたしまして、主として景観形成のためのライトアップの実施一億六千万円、バルコニーの設置一億八千万円、海上部分にかかるけたの塩害防止のための塗装一億九千万円の増工のほか、技術上の検討結果によりまして、地震計を設置する関係で五千万円、斜材定着部の構造変更で二億七千万円、その他消費税等三億二百六十一万二千円が増となりまして、合計十一億五千二百六十一万二千円の増額となったものであります。その他JRに委託した以外の工事についての変更でございますが、これは県で実施してる部分でございますが、変更後は五十五億一千二百万円余でございまして二億七千万円余の増額になっておるわけでございますが、これは主に単価増と階段工四カ所分の増額が主なものでございます。  それから三点目でございますが、八甲田丸が赤字と聞いているが、その原因と今後の対策についてでございます。港湾文化交流施設メモリアルシップ八甲田丸は、青函連絡船を歴史的遺産といたしまして青森港に長く保存するとともに、青森港におけるにぎわいの空間の創出を図ることを目的といたしまして、全国で最初の事業として平成二年七月にオープンしたわけでございます。運営につきましては、大半の収入を入場料で賄うこととしております。年間の入り込み客をおおむね二十万人程度と想定いたしたわけでございますが、平成二年七月から平成三年五月末までの十一カ月間の入場者は約十四万八千人であります。入り込み数が目標を下回ることが予想されてるところでございます。この状況は青森ウォーターフロント開発株式会社の財政を圧迫する要因になるわけでございますが、今後集客対策に全力を挙げ取り組むことが必要であると考えております。具体的には、修学旅行等団体客の誘致の積極的な推進、ファミリーイベントの開催、レストランとのタイアップによる企画展開、船内営業内容の充実、八甲田丸の日の定着化、船内外のビアガーデンの実施、オリジナルグッズの開発、販売、支援組織の結成等が考えられるわけでございます。八甲田丸が将来とも港湾文化交流施設として充実した経営を図れるよう、運営方法等について県といたしましても指導してまいる考えでございます。 71 ◯議長(鳴海広道君) 教育長。 72 ◯教育長(山崎五郎君) 社会教育に詳しい鹿内議員から、このたび移転新築になります県立図書館、そしてこれに併設する近代文学館についての御質疑がございましたのでお答えいたします。その第一は、新しい県立図書館には現在の図書館にない新たな機能、役割としてどのようなものを考えているかという点でございます。県立図書館の新館建設に当たりましては、生涯学習社会を迎えてますます多様化、高度化する県民の学習活動に適切に対処するとともに、市町村立の図書館等の活動についても十分支援できる役割、機能を持った施設となるように十分検討し計画したものでございます。このために、まず第一に、コンピューターシステムを導入し、これを積極的に活用して機能面で大幅な拡充を図っておるわけでございます。つまり、資料の検索、貸し出し、返却等の図書館の内部業務の効率化を図ることはもちろんでございますが、青森県の図書館や、あるいは読書施設の中核施設として県内外の図書館等とのネットワークシステムの確立を図りまして、市町村の図書館活動を支援したり、また、県民がわざわざ図書館に出向かなくても地域にいながらにして県内外の図書館情報を活用できるようなそういうシステムを計画しておるものでございます。  次に、施設設備の面、つまりハード面の特色でございますが、来館する利用者に対してのサービスの向上を第一義的に考えて設計されてございます。一般閲覧室等の利用者への直接サービス部門は一階の部分に集中させました広いワンフロア方式を採用してございます。広さは現在の図書館の一般閲覧室の五倍以上でございまして、この議場の四倍余の広さになるものでございます。そこに、閲覧者が自由に取り出せる開架図書およそ十四万冊を配架したいというふうに考えてございます。また、本を入れる書庫の収蔵能力も百万冊ということで現在の約三倍に拡大しまして図書の充実を期してまいりたい、ということでございます。また、このほか、高齢者とか、あるいは身体障害者の利用にもきめ細かく配慮した施設となってございます。このほか、特殊コレクションといたしまして、青森県をイメージする森林──森でございます──森林をテーマに国内外の図書や資料を重点的に収集いたしまして、全国的に青森県の図書館の特色を打ち出してまいる計画でございます。また、市町村における読書振興や図書館活動の活性化に資するように、市町村や読書団体など関係者の利用に供する市町村読書振興室を特に設けたこと、そして、この後申し上げます近代文学館を二階の部分に併設いたしまして両施設の有機的な活用を図ることとしたこと、なども青森県の図書館の特色となるものでございます。以上の結果、新図書館の施設規模は現在の約二倍半、議案にございます九千八百八十六平米となるものでございます。  第二点は、新県立図書館を利用する人の交通の便についての対策でございます。県立図書館は県下全域を対象とした施設でございますので、現在の車社会を考えれば、他都市の方も容易に利用できるように、将来の高速交通体系の中心となる場所、つまり交通体系の要所に設置することが必要でございます。そういう意味ではさきに設置しております総合社会教育センターも同じでございまして、これを設置した時点で図書館もこれに隣接してつくることを既に決定していたのでございます。その総合社会教育センター設置の際にも青森市交通部等に要望いたしまして、現在「総合社会教育センター前」というバス停留所が設置されているわけでございますが、今後新図書館など付近に公共施設がつくられてまいりますというとさらにバス利用者も多くなると思われますので、「総合社会教育センター前」に停車するバスの増便につきまして今後とも関係機関等へ積極的に働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。  最後に第三点でございますが、新県立図書館に併設される近代文学館の内容についての御質疑でございます。近代文学館は、郷土出身作家及び本県にゆかりのある文学者の文学資料などを収集保存するとともに、これを一般公開展示し、あるいは、さらに詳しく調べたい方には資料の閲覧の便に供するというそういう施設でございます。そして、ここを訪れる県内外の方々に青森県の文学についての理解を深めていただくとともに、県民の創作意欲の向上にも寄与することを目的に設置するものでございます。近代文学館は新県立図書館の二階の部分を専用いたしまして設置するものでありますが、その施設の中身は、常設展示室や企画展示室を初め、展示ロビー、ビデオ視聴コーナー、文学資料保存室などを備えております。この常設展示室には、青森県を代表する文学者の図書、資料や、詩、短歌、俳句、川柳など本県の文学の分野別の系譜などを展示することを考えております。オープンは現在のところ図書館と同じ平成五年度中の開館を予定しておりますけども、今年度から資料購入の予算を計上いたしましたし、また担当の専門職員も採用いたしまして、民間の文学資料調査員、これは二十数名お願いしてるわけでございますが、その協力を得ながら既に資料の調査収集活動に入っているところでございます。今後県内の文学者あるいは文学関係者から成る近代文学館懇話会の意見などを参酌しながら、県民の期待にこたえ得る充実した内容の近代文学館の開設を目指して鋭意努力してまいりたいというふうに考えてございます。 73 ◯議長(鳴海広道君) 会議時間を延長いたします。鹿内博君。 74 ◯十番(鹿内 博君) 要望と再質問をさしていただきたいと思います。  まず教育長さんに要望でありますが、新しい図書館については今までにない新たな機能、役割がなされると、また文学館もそういう計画をされていると言いますから、職員体制の問題につきましてはやはりそれを支えていく大事な場面だろうと思います。まあ質問では申し上げませんでしたが、これから建設が進む状況の中で、新しい建物に匹敵するそういう職員体制がぜひとも実現できますように御尽力をお願い申し上げたいと思います。  再質問でありますが、県病の問題について、実は先ほどの木下議員への答弁と私への答弁の中身をかみ合わせていきますと、病床率──利用率というんですかね、それが十一・六人と。しかしこの未熟児室のベッド数は八床──八ベッドあるわけですね。八ベッドしかないのに実際は平均で十一・六人が使ってるということは、医療機関としては非常に御努力をされていて、県民の子供たちの命を守る立場から私はそれは評価をしたいと思います。しかし問題なのはそこにおける看護婦の人数なんですね。日勤が六人、しかも準夜、深夜が二人──夜中でも二人。しかも、先ほど来の話ですと、いっそういう事故が起きたのか、どういう状況で起きたのかわからないということでありますからね。八ベッドの中で子供たちが次から次へと非常に回転している。しかしその回転しているときに、看護婦の数が二人しかいない時間帯というんですか、そういうのがやはりあるだろうと私は思うんですね。そうしますと、先ほどの部長さんの御答弁のように確かに基本を忘れた行為かもしれません。しかし一方においては、そういう基本を忘れた行為を助長する環境が、あるいは体制も一面においてはあったのではないか、そういうふうな認識をやはり持っていかなければならないのではないかなと。その辺について、現状の看護婦の体制がこれでいいのか、私は現状の中ではこれでは不十分だというぐあいに考えます。そこで、その体制的な問題について、とりわけ看護婦の人員増という問題について改めて部長さんの御見解をお伺いしたいと思います。  それから二つ目の問題はウオーターフロント計画の問題でありますけれども、これは土木部長さんからも今御答弁がありましたけども、二十万人の見込みに対して十四万八千人しか入ってなかったと。アスパムの場合もそうでありますけれども、普通初年度というのは目標の見込みよりも多くなるのが当たり前というか、ところが実際はそれすら下回ったということであります。今後の十分なる御検討をお願いしたいと思いますが、同時にもう一つぜひ御検討していただきたいのは、函館で摩周丸をスタートさせました。その函館の摩周丸は、私も先日見てきましたが、入館料というんですか入船料というんですか、これが大人一人五百円。八甲田丸は七百円、まあ展望台に上がりますとプラス百円ですから八百円取られるわけでありますけども。この入場料金という問題はやはり、また次も行ってみよう、あるいは、東京からお客さんが来たから子供たちを連れてまた行ってみようというそういうことにもある面では大きな影響を及ぼしてるだろうと思うんですね。むしろ、この施設の内容の充実と同時に料金の設定のあり方についても、まあ商い用語で薄利多売という言葉もあるようでありますから、安い料金で逆にたくさんのお客さんに来ていただくという方法もあるかと思いますんで、そこで私は、料金の問題について安くするという形で見直しをするということも含めて御検討されていただきたいと思いますが、その辺についての担当部長さんの御見解をお尋ねしたいと思います。以上です。 75 ◯議長(鳴海広道君) 環境保健部長。 76 ◯環境保健部長(増田和茂君) いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、未熟児室を含め、かつ看護体制を含め県病において現在総点検を実施してございます。その点検の結果を踏まえ、必要ならば、NICUといいますか、未熟児の専門家の先生に御意月を聞いて体制を立て直してまいりたいと考えてございます。御理解いただきたいと思います。 77 ◯議長(鳴海広道君) 土木部長。 78 ◯土木部長(池田達哉君) 函館に係留されております摩周丸の料金が五百円、八甲田丸が八百円ということでございますが、その内容的にかなり違っておると我々は思ってるわけでございます。摩周丸の場合は、展示室、研修室、レストランの施設を加えまして面積が千百八十平米でございます。当八甲田丸は、展示、体験、展望、多目的ホール、レストラン等で五千四百十平米でございます。また展示内容も、実物の車両を展示したり津軽海峡の文化コーナーというものを設けたり、いろんな形でかなり違っておると思っております。そういうことと、おおむね今後十年間で単年度収支を黒にするという長期的な収支計画の中で八百円というものを決めたわけでございます。したがいましてそういう意味では妥当性のある料金体系だと思ってるわけでございます。しかしながら、いずれにしましても二十万人という目標までは到達しない見込みでもあるわけでございます。安くすれば人が多く入るのかどうかという問題もいろいろあるわけでございますが、いずれにしましても、先ほど申し上げましたような集客対策をいろいろまずやってみたいというふうに考えております。料金問題についても今後の研究の課題とさせていただきたいと思います。以上でございます。 79 ◯議長(鳴海広道君) 鹿内博君。 80 ◯十番(鹿内 博君) 要望にいたしますからお許しいただきたいと思います。土木部長さんは摩周丸と比較されていますが、先ほどのお話の中には修学旅行の誘客ということもありましたから、やはり全国的な関係からいきますと、横浜の氷川丸も実は七百円なんですね。しかし展示の内容は、残念ながら八甲田丸よりもはるかに多いということであります。ですから、そこのところを比較してみまして改めてそれを御検討していただきたいと思います。それから最後になりますが、谷川副知事さんには大変失礼なことを申し上げたかもわかりませんがお許しをいただきたいと思います。どうぞ今後とも青森県勢の発展のために御尽力をしていただきますようお願いを申し上げ、そして感謝を申し上げまして終わらせていただきます。ありがとうございました。 81 ◯議長(鳴海広道君) これをもって質疑を終わります。        ─────────────────────────────────            ◎ 人事案件委員会付託省略        ───────────────────────────────── 82 ◯議長(鳴海広道君) お諮りいたします。議案第二十五号及び議案第二十六号は人事案件につき委員会付託を省略したいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 83 ◯議長(鳴海広道君) 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。        ─────────────────────────────────            ◎ 議案所管委員会付託        ───────────────────────────────── 84 ◯議長(鳴海広道君) 次に、議案第一号から議案第二十四号までは、お手元に配付しております議案付託表のとおりそれぞれ所管委員会に付託いたします。        ─────────────────────────────────            ◎ 請願陳情上程・所管委員会付託        ───────────────────────────────── 85 ◯議長(鳴海広道君) 請願受理番号第二号「「高齢者憲章」の制定を求めることについて」外四件、陳情受理番号第三号「「子供向けポルノ漫画」等有害図書類追放について」を一括議題といたします。  ただいま議題となりました請願五件、陳情一件は、お手元に配付いたしてあります請願・陳情文書表のとおりそれぞれ所管委員会に付託いたします。        ─────────────────────────────────            ◎ 本 会 議 休 会 提 議        ───────────────────────────────── 86 ◯議長(鳴海広道君) 本職より提議があります。お諮りいたします。明二十七日及び二十八日は各常任委員会開催のため、二十九日は諸般の都合により休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議はし」と呼ぶ者あり〕 87 ◯議長(鳴海広道君) 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。なお、六月三十日は日曜日ですから休会であります。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。七月一日は午後一時より本会議を開きます。本日はこれをもって散会いたします。 午後五時五分散会 Copyright © Aomori 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